<下巻>【予防接種:病院での喜劇!!】もしもタイで犬に噛まれたら。〜東南アジア一周スタート〜
前回
もくじ
茶番劇サクレツ!病院での喜劇!!
「ン〜〜〜〜。チョット、マッテテ ヨ」
この日本語を話す医師、いや看護師さんの彼の名前はパイ。
もう日本大好き感が半端ない人で、さらに同い年の彼とのやり取りがまた面白かったんです。
まずお互い自己紹介をする際に、彼が自分の名前を言う時に見せた一瞬の恥じらいのようなものを僕は見逃しませんでしたよ。
まぁそれはそうなっちゃいますよね、タイ語でパイってどういう意味なのかは存じ上げませんが、こちら日本ではオッパイとか、ぱいぱいでか美とかいう良く分かんない芸人さんもいますしね。
彼が日本語を習得する際に、自分の名前の意味を知った瞬間の表情が目に浮かんでしまいます。
それはいいとして、タイでは病院内で自分でワクチンを買ってきて、それをスタッフに渡して接種してもらうのです。
「イタイヨ、メッチャ、イタイカラ ネ。」
・・・アナタそれでも看護師かよ脅かすなよ。大丈夫ですよ、ドMなんで苦しめてください。
「ドウシテ、イヌ サワッタ ノ?」
いや、でも先生、僕さわる前にちゃんと挨拶したんですよ?サワディーカーって。え?関係無いですね、なんかちょっと可愛らしかったんです。顔ワシャワシャ〜ってしたかったんです。
「イクヨ、チョット イタイカラ ネ。」
・・・先生はなし聞いてます?てかメッチャ痛いからチョット痛いにランク下がりましたね。
「イクヨ?」
はい、お願いします先生。
「イチ、ニー、サーンッ」
・・・ッ!・・・?
「シー。」
ブスッ
くはッッ
なにその悪質なカウント。普通は1、2、3、ハイだろうが。なにゆえの4だお前、踏ん張るタイミングずれてメッチャ痛いわお前。
「ワタシハ ニホンジン ノ カノジョ ガ イマス カ。」
知らねぇよ。
「カノジョ イマ ニホン 二 イル。」
「デモ、アマリ レンラク クレナイ。」
それ彼女じゃないんじゃねぇの。
「ダカラ ワタシハ カノジョ 二 オコッタ。」
うん。
「ソシタラ ゼンゼン レンラク コナクナッタ。」
それお前が悪くね?
「ダカラ、コンド ノ ヤスミ ニホン イク。」
やめとけ。
長くなるのでハショりますが、どうやら日本に日本人の彼女というものがいて、しかし連絡が途絶えたので実際に会いに行って話を付けたい。だけどもその彼女がどこに住んでいるのかも知らないらしい。それって全然彼女になってないないからヤメとけって言うほか無いですよね。
しかし、彼からしたら相当にシリアスな事のようで、メッチャ悲しい表情で話すんですよ。もうよっぽどその彼女のようなものが好きなんだなと感じて可哀想になっちゃって、色々聞いてあげましたよ、どこで知り合ったのか、相手は何者なのか等々。
・・・あれ?
もうどっちが患者だよって感じで俺が注射の痕をガーゼで押さえながら看護師の彼に問診するこのシチュエーションinタイの病院の診察室。
問診の結果、その彼女のようなものは友人の知り合いで、Facebook上で友達になっただけで実際に会った事は無いとのことでした。ハイ、それ彼女じゃない〜。解決。
ブンコーメンタルクリニック、皆様の心のご相談お待ちしております♪
あれ?
チャリ旅の初日に心がメタメタになっちゃってたの僕でした。
世界一周に予防接種は必要か?
冒頭でも書きましたが日本には無い病気やウィルスなどが世界には、特に途上国で存在します。それを未然に防ぎましょうというのが予防接種。長期の旅に出る方はみんな事前に調べますよね。
世界旅4年の僕がいきなり結論を述べますよ。
必要とは思うけど、別にいらない。
です。もちろんこの回答に責任は持てませんし、結局は結果論でしか無いのかもしれませんが。
僕も出発前には色々調べていまして、どうやらバンコクの病院で打つのが日本でやるよりも破格の安さで出来るらしいのでそこで接種するのが旅人の間ではわりと主流のようです。
でも僕の本格的な世界旅はインドネシアから。そこからバンコクまではなんとか乗り切ろうって結論に。しかしいざココに辿り着いて思ったことはそりゃそうですよね、
今さら感が半端無いし、もうよくね?
ってなりますよ。なので僕は黄熱病しか打ってません。
いや、違いますね、破傷風と狂犬病のもウッカリ打たれてましたね。
そうです、犬に噛まれた際に打ってくれちゃったんですよね。もちろん保険適用です、ケガなのでね。
つまり、タイで犬に噛まれちゃえば保険適用でタダで予防接種できちゃうという荒技
破傷風というのは世界中のどこでも土壌から感染するもので、冒険者は特にやっておいた方が良いとのことなんで、まぁラッキーでしたね。
恐らくは狂犬病に対する抗体も出来ちゃってるはず。しかしこれ、予防接種を受けていても結局は噛まれたら新たにワクチンを接種する必要があるんです。つまり、予防でも何でもなく、延命接種的な感じですかね。打っておけば発症までの時間を伸ばすことが出来て、かつその際のワクチン接種も2、3回でオッケーになるってだけです。
A型肝炎はおもに生の食べ物や水により感染。
B型肝炎はおもに性行為から。AもBも致死率は低い。
日本脳炎はアジア全域に分布し、そのウイルスを媒介する蚊に刺されることで感染。
黄熱病は感染経路がどうとか症状とか以前に、打っておかないと入国できない国があるのでそういう場所へ行く場合は必須です。特にアフリカで、実際にケニア、タンザニアで提示させられました。
この6つの予防がどうやら世界の旅ではメジャーなようです。
しかしA型を打ってたって腹は壊すでしょうし、日本脳炎といっても蚊による病気なんてたっくさんあって他のウィルスに感染する確率の方がはるかに高いし。かなりの途上国での現地人との性交渉は我慢して、犬に噛まれるのも気を付ければ問題無い。そもそも狂犬病に侵された犬は超イカれてて見た目で一発で分かるようです。だからあの時、公園で噛まれて助けを求めた際のオッチャンの対応は超冷静だったんですね。おとなしめの犬でした。
以上、ぜんぜん参考にならない予防接種についてでした。すいません。
本当に必要なのはそう、それこそ野望ですよ、気持ちです。病は気から。
いやいや、注意すればだいぶ防げます。
これから世界をくまなく回ろうとする草木をかき分けスラムにも行っちゃうぞ的な、ガテン系の冒険旅行寄りの旅人なら予防接種は勧めるかもしれませんが、普通のいわゆる観光旅行のタイプであれば、そこまで過敏になる必要は無い、と思いますよ。
でもやはり予防接種は別にいらんけど、とにかく保険には入っとけ。ってとこですかね。
そのとある国では必ず必要とされる黄熱病、英語ではイエローフィーバー、それを打ちにやはりバンコクはスネークファーム赤十字病院へ行きましたよ。
受付でまず問診票みたいなのを書くんですけど、気付きました?
【Travel style】という項目がありまして、その選択肢に「バックパッカー」のみならず「adventure travel」なんて項目が!
トラベルスタイルはブンコースタイル、つまりはアドベンチャースタイルだベイベー!
って感じでなんか嬉しいぜ、サピンッ!!ってチェック入れますよ、強調ですよ。
<俺はバックパッカーじゃねぇ、冒険者なんだぜ。ふっ。>とね。
こういう中二病を患ったとても単純な旅人のツボをしっかり捉えた問診表でした。
先生、中二病を緩和させるワクチンはお持ちではありませんでしょうか。
でもそんな自分が僕は好きでもあるので、やっぱいらないです先生。
こちらも気付きましたか?先ほど載せた予防接種についての日本語のパンフレットなんですが、症状の項目に頭痛が2つも入っちゃってるんですよね。
すいませーん、ラーメンとチャーハンに餃子と、あとチャーハンで。
みたいな。実は二人前頼んじゃうみたいな。ちなみに昔、食べ物しりとりをやるかってことになって、トップバッターの僕のパンナコッタの「た」からの、友達はここで、超シラフなのに冷静に、「玉子チャーハン」という妙技を繰り出して即効で試合終了したことがあります。
なぜチャーハンを付けてしまったのか、それもそうだけれども、まずは玉子チャーハンとはなんぞや、ってとこから尋問を始めなきゃいけないですよね。玉子多めってことですか?
自転車で東南アジア一周スタート!
やり方はイマイチ知らねぇがパンク修理セットも工具も手に入れたし、破傷風の抗体も出来ちゃった嬉しい特典付きの事故で防御力もアップで怖いもんはあんまりねェぜ、やるぞ東南アジア一周!
って、いやいや、狂犬病の際どい期間でのワクチン接種はどうしたのかですよね。
それはなんと病院のスタッフさんたちが僕の旅人としての壮大なワガママにより、これからの旅のスケジュールに沿って、その日に訪れるであろう国の病院さん宛てに紹介状的な、手紙を書いてくれたのです。
3回目の接種時にはおそらくラオスだから、英語とラオス語で「この旅人は犬に触ろうとして噛まれるという偉業を成し遂げた殿堂入りのバカチンなので、そちらで狂犬病のワクチン接種を求む。」てな具合ですね。最後の接種はベトナムの予定なんで、それまでに辿り着かなきゃいけないというプレッシャーは感じますが、いやしかしありがたいです。
『旅というのは人の優しさの上に成り立つものである。』
っしゃ、キマったぜ。パクらないでくださいよ?この格言。すぐに特許申請したろ。
バンコクから北上し、サラブリー(Saraburi)という町からは北東へ進路を傾け宇宙船のようなスタバを横目に爆走。
道中ではあの、あの!アンコールワットさんにも会いに行きましたよ。
いやいや違います、こちらはピマーイ(Phimai)というクメール遺跡です。
クメールなんでもちろんアンコールワットと関係してます。そのアンコールへとつながるクメール古道の重要な終着点の一つだとかなんとか。
ここはナコーンラーチャシーマー(Nakhon Ratchasima)という町が最寄りなんですが、それでも約60kmも離れていて超アクセスが悪いおかげでタイ人観光客くらいしかいない穴場です。
と言ってもお寺に興味無いんですけどね。
寺の内部ではハトさんによって切なさが漂う空間になってました。
貴重で荘厳な仏壇様の頭の上でウンコするんじゃないボケがこのボケが!
クメール遺跡から少し走ってブアヤイ(Bua Yai)という町から電車に乗り込みます、そっからラオスとの国境までサピーーンって向かっちゃうのです。
3ヶ月後くらいにまた会いましょうタイランド〜〜。
って、ちょっと待てよ!って思いました?別に思ってないですかね。お前チャリ旅なのに電車使うんかいって?別に思ってないですかね。
いいですか?チャリ旅だからって電車やバスを使っちゃいけない、使わないなんてルールは無いんです。止むを得ない場合などでたまに利用するんです。
大丈夫ですよ、基本的にチャリは載せられます。バスなどは場合によってはタイヤなどをはずさなければなりませんが、こちらも世界的に見てどこでも載せられると思います。
いかがですか?チャリ旅ってやっぱ最高でしょ?
疲れたりトラブったりしたら載せて運んじゃえばいいんです。漕ぎたいときに漕げばいい。大きな山脈地帯が続くようなら大人しくバス移動にしちゃえばいい。
この時の僕はやはりワクチン接種の問題で時期を合わせなきゃいけなかったので利用せざるを得ませんでしたが、でもチャリ旅の途中でたまに乗る電車やバスの移動がまた新鮮味を感じられて楽しいんですよね〜。
タイの鉄道は扉が開いたまま走行しちゃうんです。ここで映画みたいにタソガレるのに憧れてたりしてましたよ。
自転車で走る時とはまた違う風を浴びながら、この東南アジア一周の旅に、そしてその先の、まだまだ続くのであろう先の先の旅に思いを馳せながら、列車は次なる国へと向かうのでありました。
これからまたどんな景色が、出会いが、どんなハプニングや試練が待ち構えているのでしょうか。
はじめよう、本格的な東南アジアを。
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