Bunkoh Style -WorldWide-

世界中の果て(先端)を命懸けで制圧しに行く大冒険コメディロマン

【これはヤバい】古代エジプトに興味が無さ過ぎた男の末路。

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バスチケットはアラビア語で書かれているけど、でもしっかりと強調されてアルファベットで「VIP」って書いてるぜ?そうかい分かったよ、

このVIPってのは特別待遇でもてなすという意味じゃなくて、
ボロイぷーの略なんだな?なぁそうだろ?


前回

bunkohstyle.hatenablog.com


もくじ

 

アノテコノテ、いろいろ必死すぎるルクソールの人たち


え?なに?ボロイぷーの最後のぷーは強引じゃないかって?うん、思い付かなかったの。そんなことはいいよ、とにかくクッソボロいバスじゃねぇかよ。

リクライニングしないリクライニングシートに右側だけへし折れた足掛け、左の肘掛けはペニャペニャで無いようなもん、冷房の風向きは変えられず冷たい風がダイレクトに俺の体温を奪う。


更にはだ、通路を挟んで左隣のオッサンが俺の後ろのオッサンと常に喋ってて、その左の奴の息がくっさいことくさいこと。

頼むからあっち向けよと思いながらヨレヨレのテーブルにうつ伏せにして避難したらだよ、今度は右隣のオッサンの足がマジでくっせぇの。



上から冷たい冷気、横から口臭、下から足臭。


素敵なVIP待遇で涙出そう。
なるほど、これが四面楚歌移動ってやつだな?



え?なに?「キミは中国人かい?」って?うるせぇよ歯を磨け歯をォ!
え?なに?「お菓子食うか?」って?ありがとうでも足を洗え足をォ!

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口臭オジサンのお喋りは止まったものの、足臭オジサンの酸っぱさに慣れずヤラれるなどで40分程しか眠れずに13時間でルクソール(Luxor)へ到着です。

数多くの遺跡が残るこの町は、ピラミッドに並ぶエジプト観光の目玉。

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なのでまぁホントに凄いです、客引きが。タクシーから馬車、河沿いではボート、そしてツアーの勧誘。もうホントにみんな必死。誘い文句が全部一緒。

アラブの春」と呼ばれるまだ5年前に起きたアラブ圏全体に及んだ大規模デモや、イスラム過激派によるテロで観光客は激減の激減。だから本当に切実なのは分かるんですよ、でもね、マジで遺跡に興味ないの。それに、

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暑さが危険レベル。どこにも行きたくないんです。

そしてもう一つ残念なのは人です。この町の人間は外人ズレが甚だしくボッタくるわ、若者はチャイナ〜ひょひょ〜ッ!だのちょっかい出してきて心底殴りたくなります。

この町では老舗なオアシスホテルのオーナーからは、「この町の人間は悪い奴がほとんどだから気を付けろ。」と言われましたからね。カイロの愉快な人たちとはホントに一変。

「ウェルカム エジプト!」から「チャイナー!ヒャー!」に変わりましたよ。


客引きウザいし一般人もウザいし暑いし遺跡に興味ないし、え?何しに来たんやろって、アフリカ縦断しに来たんだ。こんな町とっとと出なきゃですよ。

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これは中心地からすぐの場所にあるルクソール神殿。入場せずとも外から丸見えです。

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この道は約3km北へ離れたカルナック神殿へと繋がっています。

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その神殿では至る所に縦横無尽に古代文字が刻まれていて、それは率直にどういう意味が込められているのかと興味深いところではありますね、はい。






遺跡については以上です。

からの、ルクソールについては以上です。

他にもナイル川を渡った先の王家の墓なんちゃらとか、色々みどころ満載なんですよ、大抵はタクシーをチャーターしたりツアーに参加して回るのが一般的なようです。
カルナック神殿だけでも入場した自分を褒めたい、褒めた。



それにしても馬車の客引きの必死さにはある意味で涙が出そうになりましたよ。

「10ポンド(約60円)でカルナック神殿だ!乗れ!」


いやだから、もうそこは行ったんだってば。


「5ポンド(30円)だ!」


・・・もう少し英語を勉強したほうがいいぞ。俺はサトウキビジュースを飲みに行くんだ。


「よし、1ポンド(6円)でジューススタンドまで連れてく!」




・・・1ポンドですよ?6円ですよ?6円を得るために必死なんですよ?なんか悲しくなりません?

まぁそれで乗せといてわざと遠くまで走って多く請求するのが意図なのかもしれませんが、それでも10ポンドだとしても、60円ですよ。60円の為にみんな必死なんです。うぜぇんだよ馬鹿野郎なんて大きな声では言えませんよ。







それでも乗りませんけどね?


他にもあの手この手で客を引っ張る人たち。


「キミは日本人かい?」

「ちょうど良かった。僕には日本人の友達がいて、今度誕生日なんだよ、だから日本語で“たんじょうびおめでとう”って手紙に書いてくれないか?」

「さ、入って。」(お土産屋)



てめぇで書かないメッセージに友達が喜ぶのかい?そもそもそんなの今どきグーグル先生に聞けよ。手口が露骨なんです。



「へいフレンド!俺を覚えているかい!?」





・・・。


・・・お互い様だろうが、皆同じ顔にしか見えないから分からないのですが、どなたでしたっけ?


「へ〜いフレンド!俺はボブマーリー・ブーメラン・ホテルで午前中に働いてるスタッフだよ!分かるだろ?午後はこの仕事をしてるんだ、さ、乗って!」
(馬車)



・・・ボブマーリーさんに更にブーメランをもぶっ込んじゃう、大胆でよく分かんない中二病みたいなネーミングのホテルやなぁ。名付け親は欲張りな奴なんだろうなぁ。




で?







俺そこ泊まってねぇけど?


笑えるのがまた別の奴もまったく同じこと言ってきましたからね。
確かに存在するこの町では有名な宿なんですけどね。


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現地人が横で見ててもお釣りを返さないサトウキビジュースのオヤジ。
2〜3ポンドで飲めるのは知ってるんですけど、ここは10ポンドなんですか?他の店とは違ってハイクオリティなサトウキビを使用してるんです?

その現地人も見てんのに助けてくれないんですね。

アナタ達もきっとイスラム教徒なのでしょうけど、そういう行為に関してはアッラーの神様さんは怒らないのですか?怒らないのでしょうね、都合の良いことです。

そうですよね、アッラーの神様さんがいるからお前らは生きてられるんだぞ、祈らねぇお前らは不届き者だって考えなんですかね、分かりましたよ。


さ、出ましょう。もちろん、外人が多くいるエリアではこういう感じですが、地元民しかいないエリアへ行けば外人ズレしてなくて優しい人が多いですよ、それは全世界一緒なはずです。

ナイル川から望む夕日が唯一、僕のルクソール生活を支えてくれました。

アスワンでクレオパトラの涙が止まらない


次の町アスワン(Aswan)へは列車で向かいます、4時間ほど。

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その列車を待っている間に見た光景です。1ポンドのティッシュ売りの子は明らかに小学校低学年ですが、タバコをスパスパ吹かしています。どうやらそのタバコも誰かからもらってくるようで、かじりかけのリンゴやお菓子などももらっていました。ゴミ箱から拾ったのであろうペットボトルに残った4滴ほどのジュースも逆さにして飲んでいます。

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車内はなかなかのグチャグチャっぷり。事前にチケットは買わずに乗り込み、車内で払います。情報では2ndクラスで60ポンドとかだったんですけど、たったの32ポンド(約180円)でした。

とにかく何でもかんでも安過ぎて申し訳ない気持ちになります。180円て渋谷から武蔵小杉くらいまでですよね?こちらは200kmくらいあるんですが。

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様々な物売りがいる中でも、これは何でしょう。
全身黒づくめの厳格なイスラムの女性が手当たり次第に何かが書かれた紙切れを乗客に渡し、再び回収していきます。その際にお金を払っている人もいればただただ返却している人もいました。アッラーの神様さんによるおみくじ的なものでしょうか?

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難なく到着のアスワンはなんだかリゾートっぽい感じで開放感のある町でした。
ルクソールと同じような埃っぽくて暑苦しく圧迫感があって客引きが凄いと思ってたんですけど、これは予想外です。

やっぱ期待しないで行くって素晴らしいですね、僕は好きですこの町。
ナイル河沿いのボートの勧誘が少々で、人もそこまでスレていません。

ルクソールでは「チャイナー!」だったのがこちらは「ニーハオ!」が大多数。
日本人と分かると「サラバジャ!」とか言ってくる人がたくさんで笑える。

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今や中国人の旅行者は世界中にワッさといますが、でもほんの10年前なんてそんなにいなかったはずなんですよ。10年前のアジア人旅行者といえばそれこそほぼ日本人だったはずなので、その頃はニーハオじゃなくてコンニチワだったんですかね。

チャイナ!よりもニーハオ!って言われたほうが不愉快感はまぁ少ないですよね?
でもやっぱり、いやいや俺は日本人だから!って主張したくなりますよ。

中国という国は世界的に嫌われています。日本という国は世界的に好かれています。
世界を旅すればそれは簡単に知り得ることです。


だから日本人ということが分かると手のひら返したように喜んだりします。
「オメェ中国人か?」→「オォ、ジャパーン!グーッド!チャイナ、ノー。」てな具合。
割りと天と地の差なんです。

今の若い中国人バックパッカーにはなんの罪も無くて気の毒極まりないことですね。
僕らは先人にただただ感謝です。

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ここアスワンを訪れる旅行者の目的は、アフリカ縦断の為か、アブ・シンベル神殿への観光の為かのどちらかです。

そのアブ・シンベル神殿とは、なんと記念すべき世界遺産への登録第一号、むしろ「世界遺産」そのものが創設されたきっかけの遺跡なんです。


(*2017年5月追記:世界遺産が創られるきっかけとなった事は間違いなさそうなアブ・シンベルですが、なんと登録は第一号ではないという衝撃の事実が発覚。アメリカのイエローストーンエクアドルガラパゴス諸島など、12件もの場所が第一号に指定、そこにアブ・シンベルは含まれていないのでした!なんとも紛らわしい。第一号だと声高に紹介している人が僕を含めてたっくさん。こりゃまずい!)


岩壁をくり抜いて造られたという、それはそれは大迫力な巨像に圧倒されるらしいのです。

大抵は縦断者もそこへは行くようですよ。




僕ですか?

 





もちろん行きませんよ。


興味はあるっちゃあるんですけどね、香取慎吾さんの謎の少年の正体並みには。

しかしこれ、とにかくアクセスが面倒臭すぎるんですよ。
一般的にはツアーを利用し、朝の3時頃出発、片道約4時間かけて行くんです。朝っつーか夜ですね。


これに更に行く気を奪うのが、スーダンへ行く際に、このアブ・シンベル神殿のすぐ横を通るということです、つまり同じ道を通るということです。そのまんまスーダン行きたいんやけど!って感じですよ。

僕、戻るのが大嫌いなんです。だからスーダンのビザをカイロで取ったんです。


旅人の間ではカイロからルクソールを飛ばして一気にここアスワンまで来てまずは申請、そしてそのビザが出来る間にルクソールへ戻り観光で時間を有効活用、そしてまた戻ってくるというサイクルが主流だそうです。

おそらくは、神殿のあるアブ・シンベル村からスーダン行きのバスに乗れちゃう、なんて技も可能だとは思うんですけど、至難の技でしょう。
戻るのも嫌いツアーとかもっと嫌い、どうしようもないですね。

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てことで、アスワンについては以上です。
なんちゃらトムとかいう遺跡から町を一望できます。ここからの眺めが素晴らしいです。

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世界一長い河は、ウガンダが源流のようですよ。


しかし謎の少年の正体が気になるなぁ〜。・・・あれ?アブ・シンベルより興味ありますわ。僕の古代エジプトに対する気持ちが香取慎吾さんの謎の少年に劣るなんてのはもう、クレオパトラさんも大号泣なんですかね。



いやいや、遺跡に興味がなくても十分楽しめましたよエジプト。
楽しみ方はそこにあるんじゃなくて、自分で見つけるものなんです。

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(宿泊したアスワンおなじみのYassinHotelの屋上からの眺め。)

今回の旅の最大の懸念は、チャリ旅ではないということでした。

あの果てしない自由度とスリルと興奮、達成感を一度でも味わった、いわば麻薬に手を出した人間が、バスや電車の移動で満足できるのかは甚だ疑問。でしたが、大丈夫、順調に楽しめてます。

次の国、スーダンもきっと楽しいものになるでしょう。てことでバスチケットの入手です。


古代エジプトに興味が無さ過ぎた男の末路



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バスはここアスワンから、スーダンの国境の町ワジハルファまでか、首都のハルツームまでブチ抜くバスかを選べます。フェリーで国境を越えることも可能ですが今は一般的には陸路が主流です。


ワジハルファで刻んで行く場合、まずその町の宿が汚過ぎて泣けるレベルらしく、その時点で却下され、更にはスーダンという国は外人は3日間以上滞在する場合、外人登録という面倒な手続きをしなければなりません。


さらに更にスーダンは見どころがほとんど無い国だそうで、だからここアスワンからハルツームへ一気に行っちゃって早急に3日以内にエチオピアへ抜けちゃう、ただ通過するだけの旅人も多いようです。


そもそもそういうマイナス面にプラス、ここスーダンへの渡航歴がある場合、アメリカへ入国するのが面倒になるという、渡米を考えてる人からしたらもう泣きっ面に蜂と言いますか、だから飛行機でスータン自体を飛ばしちゃう人もいます。

でもそれってアフリカ大陸縦断には到底ならないですよね。考え方は人それぞれでしょうけど。



僕は行かない人が多いからこそ行きたくなりますよ。アブ・シンベル?いやいやそれよりもワジハルファの宿がどんだけ酷いもんかの方が気になりますわ。






どなたかクレオパトラさんに新しいハンカチを用意してくれます?


なので一気にハルツームまで行かずにもちろん刻んで向かいます。
奇遇にも同じ宿で出会った中国人バックパッカー3人組も僕と同じ日にスーダンへ向かうようです。


ちなみにバスチケットはアスワンの街中にある代理店で買ってください、バスターミナルで買った方が安いだろと思いきや同じでした。場所によって言い値は一番高いので350ポンド(ボッタクリもいいとこですね)、様々な場所で値切って190ポンド(約1,200円)でケリを付けました。

中国人の彼らはやはり3日以内に抜けちゃう最速コースのハルツーム行きですが、出発時間は僕のバスと同じ。


「またエチオピアかどこかで会おう!」そう言って握手して先に出発する彼らのバスを見送ります。


この時は思いもよらなかったことでしょう。ワジハルファで刻むか、ハルツームまで行っちゃうか、

その選択が命運を分けたことを。


それについては次回に明らかになります。衝撃です。


さ、発車予定時刻の朝5時半から現在8時、安定の大遅延。想定の範囲内なので全然耐えられます。


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情報通り、このようにスーダン人が大きな荷物を持ち込んで故郷に帰るそうです。
それほどまでにエジプトは安いのです。あれは洗濯機か何かでしょうか。


ふぅ、待ちくたびれたぜ、これじゃあ何の為に早起きしたか分かんねぇな、くっそ眠ぃしさっさと席に着いて睡眠の続きだぜ。


颯爽と車内へ入り、自分の番号の座席へ向かいます。


え〜っと、31番はっと、ここだな?







・・・え?



まさかね。




・・・ほぉ、確かにここだ。





嘘だろ?こんなことある?こんな、奇跡ある?



いやだってお前、

ほかのどの席を見渡しても、俺の番号の席だけなんだよ。








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俺の席だけがファーストクラスなんだよ。



笑いが止まんねぇで眠気吹っ飛んじゃったバカヤロウ。

これはあれか?古代エジプトに興味が無さ過ぎた俺に対してのファラオの呪いってとこですか?ありがたく受け取っときますよクレオパトラさんよ、あー怖い!


もうエジプト最後にしてこれ以上無い最高の有終の美でオラ幸せだぞぉ。



行くぜスーダン!ケツ痛ぇバカヤロウ!

次回

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