【ガチ】世界を自転車で旅するに至った運命の出会いは思い立ってから2日目。
前回
もくじ
奇跡の交差点での攻防と幸先の良い船出
ブキラワンから東へ3時間ほどでスマトラ島最大の都市メダンへ。
特に見どころも無さそうな町じゃの〜とペロペロ歩いていた時ですよ、信号が青だったので横断歩道を渡ろうとした時ですよ、通りの車がプップーーーーッ!!!ってスピードを緩めずに走って来たんです。邪魔だよ!的な。いやこっち青ですからね?これは抗議ですよ。
プーーーじゃねぇよこのぷー太郎がよぉオメェ、こっち青じゃねぇかよお前の目はケツの穴かよ!え、なに?それを言うなら節穴だ?どっちでもいいよ危ねぇだろこのぷー太郎!遊んでばっかいないでしっかり働け!
・・・あれ?遊び呆けてぷー太郎なのは僕でした。すいません。
って、え?なに?こっちも青だろって?何を寝ごと言ってんだオメェ、寝ごとは寝て言えってん・・だ・・あれ?
ガチだ。
これじゃよく分からないのでこの写真をズームしてみますね。
横断歩道はちゃんと青ですよ、ほらな!
あれ?車道も青きたこれ。
バカ正直な者は一生渡れないか跳ね飛ばされるかの奇跡の交差点でした。
さて、メダンへ来た理由はただ一つ、シンガポールのすぐ下にあるバタム島(Batam)へフェリーで向かう為です。これにて約2ヶ月に渡ったインドネシアの旅も終幕です。
ちなみに中間にあるドゥマイ(Dumai)から、マレーシアはクアラルンプールとシンガポールの間にあるマラッカ(Melaka)間の航路が旅人の間ではメジャーで、船の本数も頻繁にあるようです。
僕が乗るルートの船は当時、週に1便のみでした。
チケットはメダンにある旅行会社で買うことが出来ました。
当時一番安いエコノミーで285,000ルピア(約2,800円)で食事付きでしたよ。
メダンは治安が良くないそうですが、昼間に出歩くには全く問題無いでしょう。
時期的にはクリスマスだったので、って、あれ?ここイスラムの国ですよね?
モール内にはたくさんのツリーがありました。イスラム過激派が根こそぎ伐採していかないか心配です。
フレンドリーで親切な安宿もあります。ここのオーナーがバタム行きの情報をくれなかったらきっと乗れなかったことでしょう。そのオーナーの息子さんかは分かりませんがドラえもんが大好きな可愛い子に癒されましたよ。
テレビで大人しくアニメを見ていて、「ぼぉくドラぁあもん」て。可愛い過ぎますよ。萌え死にですよ。
元祖ドラえもんの声優さんである大山のぶ代さんは今、そのドラえもんをすら覚えていない程の認知症と闘っているんだ、なんて口が裂けても言えません。
笑っちゃいけませんよね、僕らの世代はあの声じゃないドラえもんなんてドラえもんじゃないんです。
復活を切に願うばかりです。
さ!いよいよユーラシア大陸へ向けて24時間の船旅の始まりですよ!ワクワクです!
たぁ〜コラおめぇ、早く金出せってんだおめぇチビが!
この緑の服のお兄さんは荷物運びの人なんですけど、僕の荷物を勝手に運ぼうとして金を取ろうとした、いいえ違いますスミマセン。うっかりチケットと同時にもらえる食事券を落としてしまい、この兄ちゃんが拾ってきてくれたんです。「拾ってやったんだから金出せよ!これ無かったらオメェ飯をもらえないんだぞ、ホラ早くしろ!」てな感じです。
幸先の良い船出ですね。ボンボヤージュ。
エコノミーはこんな感じです。色んなニオイが充満してました。寝相悪い方は大変そうですよ。
見る限り外人の旅行者は僕くらいでした。
それゆえに色んな人たちから絡まれて全然退屈しなかったです。
お菓子やコーヒーにジュース、たくさん頂いちゃいました。
ある時、なにやらデッキが騒がしくなり皆が後方を向いていました。
なんだなんだ?と彼らの視線の先に目をやると、
イルカでした!!!親子でしょうか。
これぞ野生ですよ、120%の。これが欲しかった見たかった。
オランウータン?ツアー5千円?たわけコラ!
思いもよらぬ来訪者とフレンドリーな人たちで僕の心はハッピーな気持ちで満たされ、こんな質素過ぎる食事でも美味しく感じましたよ。
しかしゴミ箱があるってのにわざわざ海に投げ捨てるやつも結構いて、そこは心が痛いとこでしたけど。
マレー半島から昇る朝日に心洗われます。
これらも全部運賃に含まれているのだから、なんて安い移動でしょう。
移動こそ、旅の本質である。
どこの町かは分かりませんが、これは途中乗車ならぬ途中乗船ですね。
対岸にうっすらと見える世界一大きな大陸に思いを馳せます。これからどんな冒険が待っているのかと。
さぁ、見えてきました、あれがシンガポールです。
キッチリ定刻に到着。バタム島はまだインドネシアですが、町は整然として綺麗です。
海は隔ててますがシンガポールとの国境の島だからでしょうか。
ちなみに島最大の歓楽街のあるこの町の名は、ナゴヤと言います。
日本の名古屋と関係しているとも言われていますが、定かではないようです。
近代的な場所を少し外れるとインドネシアな景色ですね。
名残惜しい気もしますが、本当に楽しめました。
偽りのユーラシア最南端
バタム島からシンガポールへは約1時間、海路にて国境越えです。
やっぱりなんか貫禄ありますね。華々しい。
ヤマト運輸って海外進出してたんすね。時間通りに配達してくれるのでしょうか。
この時はピックアップしてるって言ってたので集荷のことでしょう。
裏路地はまた違ったシンガポールの世界が広がっています。
日中は常に観光客が騒いでいるので、早朝に会いに行ってみましたマーライオンさん。
世界三大がっかりなんちゃらの一つと言われているようですが、全然がっかりしませんでしたよ?だってまったく期待してないもん。
やはりインドネシアから来ると物価の上昇が響きますね。特に宿は個室で500円とかだったのが、こちらはドミトリー(相部屋)で千円超えてきます。
僕は1,200円くらいの最安クラスの宿に入りましたが、そこで同室だったのが家族3人親子の中国人旅行者でした。
一家で最安ドミトリーって、どんだけ切羽詰まった家族旅行なんですか?財布でも盗まれたんです?
それにしてもなんか語呂がいいですよね。
ことわざみたい。うっかりサイン入りですよ。
このことわざの意味は、色んな意味でカツカツ。
いやいや、すみません。この一家もドミトリーってどんなもんやろか?って感じの好奇心で泊まっていたのかもしれませんよね。普通にフレンドリーなご一家で楽しかったですよ。
ちなみに中学の時にクラスメイトに青田って男がいたんですよ。彼、ちょっと変わってて、というか親がちょっとアレで、中学にしてネックレスやら指輪やらそれはそれはたくさんのアクセサリーを身にまとったプライベートの私服姿だったんです。そのアクセサリーの中には結構ガチっぽい宝石もあって、それを自慢げに見せ付けてくるんですよ。
でも全然そのアクセサリーに顔と容姿が追い付いていない残念な奴でして、なので僕らは彼らを、猫に小判ならぬ豚に真珠ならぬ、
青田にアクセサリー
ってことわざを作って爆笑してましたからね。
さて、僕にとってシンガポールで必ずや行かなければならない場所が、南端に位置するセントーサ島です。まぁここはオマケみたいなものですけどね。
あの奥に見える建物がそれです。
そうです、ここはユーラシア大陸の最南端の地なのです!!!
ご存知ですよね?僕が勝手に先端好き日本代表と名乗っていることを、先端フェチだということを!
もう大興奮ですよ!
うぇーい!ここが世界で一番大きい大陸の一番下だぜ!
毎度感じるこの果ての風、気持ち良いぜ。
って、たわけコラ!!!
分かりますよね?シンガポールって島なんですよ、大陸じゃないんです。崖で繋がれているという説もあるようですが。
でもなぜかここの案内にはcontinental(大陸の)と書かれていますね。
んでもっと言うと、
シンガポールは島で、更にここセントーサも島ですよね。
この看板、「この小島は・・・」って島を主語にしてるのに大陸の最南端なんですか?
橋で繋がれてるからって、それ完全に人為的な場所じゃないですか。
もっと言います。
橋で繋がれている、それは百歩譲ってみましょう、でも、
やっぱりどこが最南端なんです?
展望台がある場所がGPSのとこですよ。
命を懸けてでも先端を愛する僕からしたらとんだ茶番ですね。
と、まぁフルボッコにしちゃいましたが、ここはここで眺めの良い素敵な場所です。
シンガポールでこんなにエメラルドグリーンというかターコイズブルーな海が見られるとは驚きでしたね。これ毎朝島の管理人が入浴剤のバブを大量にぶち込んでるわけじゃないことを切に願います。ここから薄っすら見えるインドネシアの島々をも眺めることができますよ。
島は、いや国としては最南端として観光スポットにしたいという思惑があるのでしょうが、これはちょっと稀に見るひどさですね。
オッサンのFacebookのプロフ画像並みにひどいですよ、真顔のどアップが見ていてとても痛いです。
プロフ画像だからって別に自分の顔じゃなくてもいいんですよ?
それはいいとして、本当のユーラシア大陸最南端への到達の模様は次のブログでお送り致します。
世界を自転車で旅するに至った運命の出会いは思い立ってから2日目。
シンガポール滞在中は、これからの旅について常に考えていました。
<なんかねぇかな。>と。
これまでのインドネシアの旅はとても楽しかったのは事実なんですが、何かが足りなかったんです。
それは自由度と、
刺激と、
達成感と、
異次元さ。でした。
こんな素敵な旅をしているはずのに、なんとも欲深い男ですね。
でも、このままとりあえず普通にマレー半島を縦断して、バンコクへ行く。それでいいのだろうかと。
<モヤモヤしたままの状態で楽しめるのだろうか。>
そんなことを常に頭に巡らせ、シンガポールに飽きはじめた4日目。
やってみようか、チャリ旅。
少し前から自転車で旅をしている自分を想像したりしていたのですが、<やっぱ難しいだろうな>と、やってもみないで頭の中で押し問答。
<そうか、じゃあ、無理そうだったらやめればいいじゃない。>
そういうシンプルな言葉を見つけた僕は、さっそく調べた自転車屋さんへ行ってみました。
しかしどこもスポーツタイプというか、ロードバイクっていうんですか、ガチなやつ。
そういう店しか見当たらず、いわゆるママチャリというか中古で安いやつが欲しかったんですよ。それはいつでもやめられるように。
本当にやれるか分からないのにウン十万円なんて出せるワケがなく、いや、心のどこかで、<たぶん無理だろう>という考えがあったんですね。
日本ではママチャリで散々暴れ回ったけれど、それが海外となるとどうなのか、しかも発展途上の国を?パンク修理すらしたことがない人間が?
こんな調子だったんです。
そこで気付いたのが、シンガポールからは橋を渡ればすぐそこはマレーシア。
物価は日本の3分の1と言われる国。
そうか、んじゃあチャリも安かろうよ。
てことで次の日、初の陸路での国境越えで世界旅4カ国に入ったのでした。
陸路での国境越えなんてのは日本では経験できないもので、それはまたとても不思議な感じですよ。
東京から多摩川を渡って神奈川県へ入るってな具合で、でもそこはもう、言葉も文化も通貨も物価も違う場所なんです、貴重な体験ですね。
この辺で中古のものとか、安く自転車を買えるとこあります?
国境の町ジョホールバルの最安の宿にチェックインし、さっそくオーナーに尋ねます。
しかし、自転車屋はあるけど、安いかは分からないと。
ふむ、そうか、まぁとりあえず行ってみますかね〜、なんて話をしている時でした。
「オレ、もう使わない自転車持ってるけど、よかったら譲るよ?」
客ではなく遊びに来ていたよく分からないオッチャンが、僕らの会話を聞いていたのか切り込んできたんです。
なんなのこの彗星のごとく現れたオヤジ。
あ、それじゃあといった感じでトントンと話は進み、彼の家まで行き現物を見させてもらいました。
まぁとりあえず、うん。えっと、ギアは無くてもいい、荷台は必要だな。うん、いや、とりあえず確認したいのが、
これ盗んだやつじゃないよね?
なぜ綺麗にシルバーに塗り替えたのか、そこまでしてなぜもう必要ないのかが僕的に気になったんです。
理由はよく分からないが、まぁ、いっかと。
バックパックを背負って走るワケにもいかないので荷台が必要ですが、
それも難なくゴミ捨て場でまさかの日本のママチャリを発見し、荷台だけもぎ取って装着です。
撤去されたやつが輸出されたのでしょう。浦和市の沢尻サイクルさん、このブログを見たら是非ご一報を!
しかしその荷台だけではバックパックがかなりハミ出てしまうので、何かないかなぁと考えていたところ、これいいんじゃね?と渡されたのがこのバッテンのやつです。これ何か分かります?
クリスマスツリーの土台部分です。
ヌポっとこの土台からクリスマスツリーを引き抜くオッチャンの姿は過激派じゃないかと疑いました。
え、これ使っていいの?と問いただすと、
「いいよ別に、もうクリスマス終わるし。」って。
いや、もう終わるってか本日12月24日のイヴなんですけど。
終わるどころか始まってもいないんですが?
まぁ荷台にジャストフィットするのでありがたく貰いたいのですが、来年のことなんてどうでもいいんですかね?
宿に泊まっていた旅人と、そして近所の子供たちも集まって来ては皆でワイワイと手入れをしていきます。
「おいブンコー、こんなのはどうだ?」
おぉ、これがあれば旅先で知り合った綺麗なお姉さんを後ろに乗っけてデートできるなってオーーイ。
そんなこんなでチャリ旅やってみっかと思い立ってから2日目、トントン拍子で話が進み、ブレーキだけを新調してトータルコスト50リンギット(約1,200円)でチャリをゲットです。
よっしゃ、こんなチャリなら躊躇なくやめ(捨て)られるぜ。
自転車屋へ行くまでもなく、勝手に降ってきたように僕の前に現れた、一つの古いチャリンコ。これは紛れもなく、旅の神様からの、クリスマスプレゼントに違いない。
僕の横にいるのがこのチャリをくれたロジャーです。
彼は2017年現在、ここで「Memory Guest House」と宿名を変え、オーナーをしています。
メチャクチャ親切で暖かい人です。もしも宿泊される際には、ブンコーナカジマのブログを見た!
と伝えてみてください、興奮しながら喜ぶと思います。勢いで値引きしてくれるかもしれません。
初日の彼とのこの出会いが、僕の旅のターニングポイントと言える、
運命の日だったのです。
この時は夢にも幻にも思いませんでしたよ。
俺がコイツでユーラシアを制してしまうことを。
売ろう、地球に、喧嘩を。
次回