Bunkoh Style -WorldWide-

世界中の果て(先端)を命懸けで制圧しに行く大冒険コメディロマン

【超刺激的】命懸けろ。エアーズロックよりも熱望していた場所【豪アウトバック-下-】

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クッソ怖いけど、意を決して出陣だ。


プレイバック!オーストラリア 前回

bunkohstyle.hatenablog.com


小学生の頃、ニコラス・ケイジってどんな有名な警察官なんだろうと思っていた僕です、こんにちは。


ところで、一つの記事の文字数の目安はだいたい1万字前後にしていたんですが、「面白いけど長過ぎて読む気がしない。」という嬉しくも儚い苦情が友達伝いにですが入って来ておりまして、確かに長いとは思うけれども、しかしながらそれこそがこのブログの売りなんだよ、読み応え炸裂のひと記事入魂ブログなんだよ。

と、そこまで気に留めていなかったんですが、スマホだと何十回スクロールすんねんって感じで、やっぱり長過ぎますよね。てことでこれまでの記事をとっても良い具合に【上・下巻】てな具合いで分割、更に修正したり書き足したり写真も追加したり、より一層読みやすく面白く改良しました。これからももっと客観的に見るように努めて、「長いけど面白いから読みたい。」そんなブログを常に目指していきます。


さて、前回に続き刺激的なアウトバック中心部の最後に紹介する場所は、日本語のガイドブックにはまず載ることのない、そしてオーストラリアツウな貴方も知り得ない景色をお魅せしましょう。

割りと命を懸けての到達エピソードです。これもまた、刺激的でしたよ。それでは臨場感たっぷりでどうぞ!



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「行ったろう・・。」そう言わんばかりの、この時のまさに自分の心の様子のような燃えるような意気込み。とは言い難い、モヤっとした雲が赤く美しくも不安を垣間見た、その日の朝焼け。

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緊張している時のコーヒーは、ひとときの安らぎを与えてくれるものの、実に美味しくない。


それは、生きて戻って来れるか分からないから。


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これはその場所へ行く際の幹線道路にある、最寄りのガソスタで見たもの。

オーストラリアでは結構よく見る靴がぶら下げられた光景。都市部では昔、これが売春や風俗、そしてクスリのサインだったという噂もありますが、それがこんな荒野にある意味とは果たして。

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アナタが行きたい場所は、アチラですよ。と言ったサインなのか。
幹線道路のハイウェイから逸れて、東へ、朝日の方へ。


いざ。






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んで?おいおい冗談じゃねぇぞ、こちとら普通の二輪駆動の車だぜ?やっぱ無理かコレ??ガッタガッタで全然スピード出せねぇしぶっ壊れんじゃねぇかこれ。


ハイウェイを抜ければすぐに未舗装地帯。コルゲーションと呼ばれる、ギザギザに尖ったまるで洗濯岩のような固い土の道が行く手を阻む。

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写真ではあまり伝わらないが、場所によっては時速30kmくらいにまで落とさなきゃいけないくらいヒドイ。

これを130キロ走れと?勘弁してくれよお前。自慢じゃねぇが車の修理なんて一切出来ねぇぞ俺。


「土埃や悪路に注意」的な看板はあるものの、ノーマルな乗用車侵入禁止の表示は無い。



・・・なんとか行ってみっか。。







・・・いや、途中でパンクしたら?







・・・トラブルで動かなくなったら?



こんなとこ、他に誰も来ないだろ?ケータイも通じない。


誰にも発見されずに俺はここで死ぬのかな?
スッカスカのミイラになるの?



引き返すなら、まだ間に合う。。







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そんなことをグルグルと頭にめぐらせながらも、約3時間ほどもかけて130キロを走り抜いた。その距離ならハイウェイであれば小一時間ですからね。やはりこの間、他の車が通ることは一切ありませんでした。

嘘かホントか、この先20キロにガソスタがあるらしい。こんなとこ誰が来るの?幻じゃないの?

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ここから向かう先は看板にあるように、「4WD ONLY」の道となる。

ジープなどの4輪駆動車しか走ることの出来ないほどの悪路ということ。オーストラリアにはこういった道がたくさんあるのです。もちろんバイクでも行くことは可能。


僕の車は至って普通の自動車。だから行けない。でも行きたい、行かなきゃならない。


つまり歩くことになる。


往復で24キロ。行き帰りで大体5時間。無謀な距離ではない。たっぷりの水を背負って、大地を蹴り出す。

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なるほど、こりゃ普通の車じゃ無理だわ。

ここまで来る際のガタガタの固い路面からは打って変わり、サラサラの砂、ほぼ砂漠の道になる。こんなとこへ自分の車で突っ込んだら即行で動けなくなって終了。

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暑くて、カラッカラで、ウザい。

エアーズロック、クーバーペディ、キングスキャニオン?そんな場所の比にならないほどの、おびただしい数のハエが僕の顔に群がる。そいつらが集まり過ぎると黒い塊となり、それはまるで漫画で見るような悪霊のような姿だ。はたから見たら異様な光景であることは間違いない。うっかり2、3匹食べちゃったレベル。


人の脂は美味しいのかい?この辺りじゃ貴重なご馳走ってか?


マジで絶滅しろ。




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・・・ブルゥゥゥゥウウウウ・・・・ン・・


1時間ほど歩いた時でした、なんと後方から一台の車がやって来るではないですか。
しかし、この時の僕の脳みそはあろうことか、

<でもここは自分の力で行った方が達成感がありそうだな。>

こんなことを瞬時に思い立ったのです。それほどまだ体力が余っていたということもありますが。

まぁ、乗れよと言われたら乗る。俺からは言わない、頼まないぜ。つまりそういうことだ。







いや思春期の自信ありそうで実は奥手な男子かよ。こっちからは言わない、言えないみたいな。



「Hi,Are you ok(大丈夫)?」



あっという間に車は僕の横に付き、2人の夫婦でした、助手席の女性が窓を開けて気遣ってくれます。



イェス、大丈夫!





僕は意気揚々とそう言い放って(しまい)、


親指を立てて(しまって)、


なので、
2人は颯爽と、


行って、


しまいました。














バカなんですかねバカなんでしょう。

別にそこ乗っても良くね?飛行機で飛ぶわけでもあるめぇし?陸路なのは変わんねぇし、あと何キロあると思ってんの?

いやいやいや、ここまで一人で来たんだから最後まで一人で行くんだよ俺はよ、冒険王なんだバカ野郎。

もう一人の自分がもう一人の自分との割りとどうでもいい見栄の張り合い。時すでに遅しだが。






が、しかし。
見えなくなるほど進んだはずのその車が、なんとコチラヘ引き返して来るではありませんか。


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「Hop in(乗れよ).」


・・・先ほどは険しい表情の男性ドライバーが、より一層険しい顔でそう言うので、それでは、ね。
自分の力だけで制覇したぜ、ってのは言い切れなくはなるが、まぁ良しとしよう。<ふぅ、助かったぁ。>





・・・さて、ラッキーはラッキーなのですがしかし、察するに想像するに、彼らが僕を見つけてそして引き返すまでのシチュエーションはきっとこうだ。



・・・ブルゥゥゥゥウウウウ・・・・ン・・



男性「・・・?あ、あいつか、あの置いてあった車の持ち主は。まさか歩いて行くとは。」


女性「大丈夫かしら、まだ距離はあるわよ、暑いし、乗せてあげましょうよ。」


男性「・・・うむ。」






男性「・・・ん?アジア人か?てか、うわ〜汗だくでしかもハエまみれ。きったねぇ。乗せたくねぇ。」



女性「ちょっとアナタ、そういうこと言わないの。」



女性「Hi,Are you ok?」



僕「イェス、大丈夫!」



男性「ほら、大丈夫だって。行こ行こ。きったね。



女性「・・・いや、でも・・・。」


 

女性「・・・・・。」




女性「・・・やっぱりダメよ、危険よ。アナタ、戻って。乗せてあげましょう。」


男性「いいって言ってたじゃないか。きったねぇし、大丈夫だよ、きったねぇし。」



女性「戻って!もしものことがあったらどうするの!?アナタそんな人だったの?」



男性「・・・〜〜ッ。。」








ってな具合だと勝手に想像する。

だって、後部座席あいてたけど荷台に乗せられたし、女性の爽やかな表情に反してやっぱりドライバーの顔がちょっと怖かったし。

いやいやいや、本当にありがとうございます、そして何かすいませんでした。
まぁしかし、文明ってやっぱサイコォ〜〜♫

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そんなこんなでやっぱ何か持ってます僕は、あっという間に分速で到着したのです。あれはトイレか?

しかし遂に来ちゃったか、来れちゃったか。

エアーズロックよりも、行きたかった場所へ。

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へき地もヘキ地、その名もLambert Centre

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左の隅っこにあるユーラーラいうのがエアーズロックのある場所。

オーストラリアの真ん中はそのエアーズロックと言われている。が?

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それは違ぇぞ!ココこそが正真正銘のォ〜

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オーストラリア大陸の地理的な中心地だぁ。


いかがですか?くたびれた豪州の国旗が弱々しくはためく、この限りなく殺風景な光景は。ここがこの大陸のヘソですよ?ゾックゾクしませんか?ここへ来るためだけに僕は、わざわざ危険を冒してまでやって来たのです。真性の変態でしょ?

いやいやいや、果てマニアなら来ることが約束された場所ですよ。
中心地はある意味で、先端と同じく世界の果てだと僕は考えます。

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素晴らしいです、ビジターブックが備えられていました。本当にオーストラリアって国は旅人の心を理解してますよね。

『03,22,2014 Bunkoh Nakajima JAPAN!!!』

バツンっと到達証明のサインですよ。これからチャレンジされる方、僕の軌跡を見つけてみて下さいね。



さて、妥協一切なしの超絶ナルシストな日本国旗との自撮りに時間がかかりそうなため、待たせるには悪いし、まだ水も体力もあったので二人には自力で歩いて帰ることを伝え、中心地でお別れをしました。


これが、やっぱり失敗でした。と言いますか、命を救われてました。


ここへ来る前のスタート直後はまだ割りと楽勝な道だったんですが、だから歩き出して1時間ほどで彼らが来ても、絶対に乗せてもらおうとは思わなかったんですね。しかし、僕がその車に乗せてもらっていた時の道のりはかなり悪かったらしく、というかとても悪くて、砂が深くて足が取られて思うように進めません。

結局は帰りだけで残りのすべての水を消費し、むしろ足りないし、カンカン照りで気温が40度以上あったらしく軽く熱中症のような症状でフラフラの状態での、自分の車への帰還となったのです。行き帰りで大体5時間、との始めの算出でしたが片道で3時間以上かかりました。限りなくバカですね。


そうです、僕が何を思ったかって、

彼らに乗せてもらわなかったら一体どうなっていたのか。
ということです。限りなくバカですね。


まぁでも、結果オーライってとこですかね?持ち前の強運が炸裂した、それでイイっすね。とはいえ本当に助かりました、ご夫婦。汗だくでハエまみれな汚い姿は視界に入るだけでも至極不快な思いをされたかと察します、ごめんなさい。


帰りのまたガタガタな130キロの道は行きとは打って変わり、半ばヤケクソな状態であえてかっ飛ばして戻ったのでした。2時間かかりませんでした。コルゲーション地帯は逆にスピード出しちゃったほうがいいかもしれません。超怖いけど。

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「よくやった。」そう言わんばかりの、あるいはこの時のまさに自分の心の様子のような、真っ赤に燃えがる夕焼けが僕の帰還を祝福してくれているかのようでした。


俺はやったんだよ、命を懸けて、挑んだのだ、モノゴトに。


これからまだまだ、命を脅かすような難所が現れるのかもしれない、いや、あるだろう、ある。
でもきっとやれる、乗り越えられるさ。


この燃えるように湧き上がる自信こそが、中心地へ到達できたという事実よりも、何よりの嬉しさ、と言っても過言ではない。


溢れる達成感に、そして自分に、生きていることに、カンパイ!

っぷはぁーーーーッ!最高ッ!!!(←りんごジュース)



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はい、ナルシスト乙でした〜。

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3記事に渡ってお送りしたアウトバック中心部の紹介はいかがでしたでしょうか。
是非ともあの刺激的な世界を実際に味わってみて下さいね。あるいは少しでも一緒に旅した雰囲気を味わって頂けたのなら、幸せです。

そしてそもそも論なのですが、オーストラリアを徹底的に攻める、楽しもうって方は4WD車を買いましょう。

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これで解決なんですよ、どっこでも爆走できますからね。ちゃんちゃん。