<下巻>【嘘だろ?】どうしてしかしコンドーム。~超絶景のザンジバルと穴場の町~
前回
もくじ
なんて素敵な個性バクハツのザンジバル
さぁこのタンザニアだけどタンザニアではない、今まで訪れた別次元の島、そして一つの国、ザンジバル。
タンザニアの宗教はキリスト教とイスラム教が約30%づつで他は独自の伝統宗教だそうですが、ここザンジバルはほぼ100%がイスラム教。「こんにちは」を意味するスワヒリ語のジャンボ!に、アラビア語でイスラムの挨拶であるサラームアレイコムも聞こえてきます。
元々はアラブ人が住んでいたこの島ですが、その後にポルトガル、オマーン、そしてイギリスから支配されていたこともあり、アフリカとヨーロッパとアラブの文化がミックスされ独特な世界観を醸し出しています。
その入り混じった文化の影響により、アフリカでは珍しい3階建の石造りの建築物が連なる旧市街地はストーン・タウン(Stone Town)と呼ばれ、その特異な都市景観から世界遺産に登録されている。
ちなみにザンジバルとはアラビア語で「黒人奴隷の町」という意味で、その名の通り悲しい過去を持つ島でもあるのです。
どうですか?これはローカルな食堂での一枚で、とっても浮いてますよね。そう、マサイ族の方々もたくさん住んでいます。彼らの主な仕事は警備だそうで、さすがは戦闘民族、確かにホテルの前に立っている姿をよく見かける。
島の住民はアラブやペルシャ、そしてやはりインド系などなど、様々な混血種で成り立っているようです。
町では見覚えのある馴染みのある自転車がバンバン走っていてそれはそれは不思議な光景。
日本で撤去されたものでしょう、それが黒人を乗せて狭い旧市街の迷路をスルスルと駆け抜けるのですから。
この車体のお値段はなんと、ピンキリですがギア付きのものとか高いやつは日本円で7千円とかするそうですよ。卸す業者はこれ単純に考えてもかなり儲かるんじゃないですかね。
もちろん日本の車も当時のまま、元気に人を乗せて活躍しています。
ニヤニヤが止まらない。
中古の日本車はタンザニア本土でもよく見られますが、この島はその比にならないくらい頻繁に走っている。
マーケットではガチャピンさんが歩いていました。
失礼ですね、でもこれ破壊力が半端無いですよ、右の人はコレ驚嘆であっけらかんとしてるじゃないですか。左のかたがもう少し大きければムックさんでミラクルな絵になりましたよね。すいません。
スーダンぶりの濃ゆいイスラムの世界。もちろん1日数回のお祈りの時間には町にコーランが響き渡ります。【世界旅あるある:コーランが心地良く聞こえるようになる。】
ザンジバルミックスと呼ばれるこの島で食べられる料理。酸っぱくて控えめに言っても美味しくない。島にはやはりインド人も多く、カレーはもちろんサモサやビリヤニなども頂けます。
よくある単なる旅行者、外人御用達のリゾートアイランドでは無く、現地に住む多様な人々の生活もしっかり見ることが出来る。
夕方になると島っ子たちが一斉にビーチに集い遊び明かします。アフリカ人はとにかく体のバネが凄くて、小さな子供でもヒョイヒョイとバク宙を披露する姿をよく見かける。
アフリカ本土出身の子もいるのでしょうけど、いつの日か異国の地に行った際にWhere are you from?と問われたらきっと、タンザニア、ではなく「ザンジバル」と答えるのでしょうか。なんかカッコいいですね。
このビーチから見る夕日もなかなかのものでしたよ。
美しい海に囲まれた穏やかなイスラムの世界、様々な人種の島民が日本のママチャリを漕ぎ日本の場違いで笑える中古車に揺られ、インド人がインド料理を振る舞いアラビックな旧市街をマサイ族が闊歩するそれはもうカオスで摩訶不思議な光景に出会える一つの国、ザンジバル。
更に特筆すべきは治安の良さです。堂々と首からカメラを下げて歩くことの出来ないダルエスサラームから船でたった数時間で海を越えるだけで、それは雲泥の差。暗くなっても一人で外を歩くことが出来るほどでした。
いかがですか?行ってみたくなりませんか?
しかし一つだけ難点がありまして、それは宿の猛烈な宿泊料の高さです。
ザンジバルは観光税として一泊なんとUS9ドル(約1,000円)もの超ボッタクリな税金がかけられ、つまりそこから宿の一泊の料金が加算されるので、ホテル予約サイトでもドミトリーで最安でUS18ドルとかでした。本土ではせいぜい6,7ドルで泊まれるのに、これは痛すぎます。
おそらく非正規で税金から逃れている10ドル以下で泊まれる汚めの個室も隠れて存在しているようで、それは港にいる客引きに付いて行くか自分で見つけることになりますね。
お世話になったのはten to tenという僕が訪れたまだ1週間前くらいにオープンしたばかりの宿。なんとオーナーが日本人の方でした。点と点、ってことですかね?立地も良くもちろん綺麗な良宿で、なにより日本語で情報を得たり喋りたい方には打ってつけですね。
宿の高さが唯一のネックですが、そのマイナス面をひっくり返せる景色をも持つのがこの島。まだ終わりません。
死ぬまでに一度は行きたい海上◯◯◯◯◯
最近になって知名度が急上昇中の話題のこれは、ここザンジバル島の東のはずれに浮かんでいます。
ストーンタウンからダラダラ(乗り合いバスの意味)を乗り継ぎ2時間半ほど。
ヤシの木をくぐり心地良いさざ波の音だけが包み込む、小さな小さな集落を抜けたビーチに、突如としてそれは現れます。
これが雑誌や絶景の類の旅本でよく取り上げられるその名もTHE ROCK、
海上レストランでございます。
まるでファンタジーな映画の世界ですよね、お客さまは無料の送迎ボート付きですよ。
と言っても干潮時は歩けて行けちゃう。横から見ると分かりますが、結構な奥行きがあるんですよ。
レストランのメニューとしては、パスタが20ドルもして味は普通、との情報があります。言うまでもなく、ここは味を楽しむというよりは景色と雰囲気を味わう場所でしょう。
間違っても男一人で食べに行く場所ではないと思います。
マサイ族の方々も働いている。
惚れ惚れする透明度と色。
2、3軒ほどのお土産屋と高そうなホテルが一つあるだけで、とにかく静かで癒される空間。大抵の観光客はストーンタウンなどからツアーやタクシーのチャーターで来ていました。個人で来る場合は帰りは路上でバスを停める必要に迫られますが、なんてことはありません。
入店せずとも見ているだけで幸せな気持ちになる超絶景、THE ROCKでした。
玉ねぎオバさんの末路と、無料のサファリゾーン
沖縄本土ほどの大きさのザンジバル。他にもまだまだゆっくりできて絶景も堪能出来る場所がたくさんありますよ。是非ともカオスな異世界を楽しんでみてくださいね。
たっぷり堪能できた僕は本土へと戻り、アフリカ旅のゴール地点の南アフリカまで更に歩を進めていく。
移動手段ですがダルエスサラームから南下する場合、大抵の旅人がタンザン鉄道と呼ばれる国際列車で次の国ザンビア(Zambia)へ約48時間、2泊3日ほどかけて一気に向かうようです。
僕はとある町を経由し、あえてバスでザンビアへ向かうことにします。これが割と良い判断でした。
ダルエスから少しづつ標高を上げ、道中の車窓はとても楽しいものになります。
壮大なバオバブが乱れ立ち、
おや?あれってまさか・・・
すげーーー!キリンさんにイボイノシシさん、そしてインパラさんに更にはシマウマさんです!!
これはもちろん野生ですよ?動物園じゃないですからね。さすがは動物大国。
ちなみにタンザニアの通貨もやっぱ動物が描かれている。
実はこのザンビアへ向かうこのルート、国立公園内を通っちゃうんです。入り口には「許可無く写真を撮るな」って書かれてますけど、そんなん知ったこっちゃない。しかも動物を保護する為か、公園内では制限速度が設けられていて結構な動物を割りとゆっくり見れましたよ。
これタンザン鉄道の場合は通過が夜なので動物を見ることはほぼ無理だそう。
お金を出して動物を見に行く行為、要はサファリですね。動物園もだけど、それが好きじゃない僕は絶好の機会。遠目からだけど、十分。
町に停車するたびにバスに群がる売り子さんたち。欲しければ窓から声を掛ければ目をキラキラさせてやって来ます。
牛肉とフライドポテトを売る人も。油グッチョグッチョだけど、手が止まりません。
こういったものや果物、その場で頂ける食べ物、これなら良いですよ。
でもコレは全然意味が分からない。ビニール袋にパンパンに詰めた玉ねぎを売っているんです。みんな必死過ぎでしょ、これバスを追いかけて来ますからね。想像してください、玉ねぎを抱えて猛ダッシュで迫って来る男たちの姿を。失礼だけど笑いが止まらない。
てか、よりにもよって皆んな玉ねぎで、そこで誰かトマトにして他と差を付けるってことを思い付かないのかな。そもそもわざわざ玉ねぎを今買うやつなんているわけね・・・
隣に座っているオバさん:「ちょっとアナタ、あれ買いたいから呼んでくれる?」
いた。
それはいいけどこのオバさん、入っていた玉ねぎの量が多すぎるからって僕の拒否権を完全に退け強制的に5つも与えてきましたよ。
僕が抱えていたサブバックを勝手に開けだして玉ねぎをゴロゴロ入れてくるんです、恐怖ですよ。これってスリの逆バージョンで、何か言葉無いんですか?新手の犯罪ですよ。いらねぇっての。
でもですね、サブバックのチャックを開けた瞬間に見せた玉ねぎオバさんの一瞬の戸惑いを僕は見逃さなかったですよ。
なんせそこにはコンドームがあったのですから。
2個。
どうしてそこに入れてるの?ブンコーさん?
大満足の移動でダルエスから約10時間、イリンガ(Iringa)という町へ到着。20,000シリング。
ここに立ち寄る旅人なんてかなりの少数派だろ〜と思いきや、目当ての宿はまさかの満室、しかも次の日まで。どうやらこの町は欧米人には大人気のようです。
標高1,500mに位置しダルエスやザンジバルの蒸し暑さから解放される気候の良さ。
人もとても良くて居心地の良い町です。町を一望出来るスポットから見る夕日も素晴らしいものでした。
泊まった宿はバスターミナルから至近距離のSHALON GUEST HOUSE。Wi-Fi無しの水シャワーですが個室一泊10,000シリング(約500円)。スタッフは素晴らしく、隣の併設のレストランも安くて美味でフレンドリーでとても良い時間を過ごせましたよ。
しかしまぁ〜〜とにかく人のことは言えませんが東アフリカの人のフライドポテト好きってのは凄いですよ、毎日まいにち。これ主食ですからね、お米と同じ感覚ですよ。
そんなとある夜、Facebookを覗いていた際にこんな投稿が目に入って、当分は控えることを誓いました。
東アフリカ人はこれ滅亡じゃねぇか。
さぁ、イリンガからムベヤ(Mbeya)を経由して一直線にザンビアとの国境の町、トゥンドゥマ(Tunduma)へ。18,000シリング。
いよいよ東アフリカの終了でゴールまで残り3分の1。南アフリカまでに経由する国の数はあと3つ。
その間にまたどんな景色が、どんなドタバタ劇が待ち構えているのでしょうか。
とりあえずあれだ、避妊具を大きなバックパックに入れ替えよう。←捨てないよっと
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