【旅と旅行の違い】やっぱり面白いタイランド。〜自転車マレー半島縦断2-下-〜
前回
もくじ
アイランドホッピングと、胸触っていいよ
日本へ旅行する際はまず秋葉原へ直行したい、そんな日本大好き少年とお別れしてパッタルンからトラン(Trang)、そこからランタ島(Lanta)という島へ向かいました。
離島好きな僕ですが、ここも欧米人だらけで騒がしくどうも好きにはなれません。
しかしここから望む夕日は毎度素敵なものでした。
まったりと地平線に沈む姿を見届けていたら島の現地人がディナーに誘ってくれましたよ。激ウマだけど現地人仕様の激辛トムヤムクン、右下にあるのはビールです。タイ人は氷を入れて飲むんですよ。
どうですか?もはや一瞬だと僕がどれだか分からないほどの日焼けっぷりでしょう?むしろ現地人を超えちゃってる黒さってのがウケますね。日本人だよって言ってもなかなか信じてもらえませんでした。
ここランタから更にピピ(Koh Phi Phi)という群島へフェリーで移動。タイ南部にはたくさんの島々があるんです。
ピピ諸島の主要の島のピーピー・ドーン島からツアーやチャーターでのみ訪れることが出来る島、マヤベイはディカプリオ主演の映画、ザ・ビーチのロケ地として大変有名になり、日中は常に人でごった返しております。ツアーでなくボートをチャーターしたりで早朝に行けると静かな空間を満喫できるとか。
もの凄い透明度。
ピピ島は言うまでもなく観光客まみれですが、でもなんか雰囲気が気に入りました。この島には車やバイクが通らない(規制?)んです。人混みの中を「ピーピーピー!」と口で発して進む手押しの荷物を運ぶ人たち。ピピ島だからピーピーなのかは不明。
しかしやはり物価がかなり高いので朝到着の一泊だけで良いかなというところ。
2つの島を経由し再びの本土はクラビ(Krabi)というこれまたリゾート地。
ちなみにフェリーにチャリを持ち込む場合、受付けであえて申告せずにシレーっと持って行ったら追加料金を取られずに済みました。
ここから西へ舵を切ってまた再びの島、これまた超国際観光都市のプーケット(Phuket)へ。
ここではマレーシアはペナン島で、タイのビザを取得する際に出会ったプーケット在住の日本人の方に大変お世話になりました。この出会いで僕の旅の選択肢が増えたんですよ、それについてはまたいつか。
ナイトマーケットではこんなお店がありましたよ。イモムシさんやコオロギさん、タガメさんを頂けます。ぜんぶ香ばしく焼かれてたり揚げてあり、更にたくさんのスパイスを入れてブレンドされるので虫そのものの味はよく分からない状態で食べます。普通に美味しいです。
もはや昆虫食はゲテモノではなくなる時代が来るかもしれませんね。日本にも既にありますもんね、昆虫レストラン。いつの日か訪れるかもしれない食糧危機を救ってくれるかも分かりません。
ゴーゴーバーとか、ゲイバーとか、ストリップ劇場、そういう類の店が乱立してる通りではそれはそれはゲイに大人気の僕ですよ。物凄いヤラシイ顔で誘って来るんですよね、彼ら。
やっぱり君たち、男なんでしょ?ちょっと無理かな、ごめんね。
おい、その手を離しなさいコラ。・・・おいオメェ、知らねぇのか俺が面食いだというこ・・と・・・
悔しいけど可愛いんだよな、男なんだろうけど。
え?なに?胸触ってもいいよって?どれどれありがとう。
いやいや、ここで一生トラウマを背負うわけにもいくまい。サヨナラ、ちきしょう。
プーケットももれなく欧米人の溜まり場でして、更には物価も高いしで好きにはなれません。
温泉、国境、肉まん街道と素敵な道
喧騒の島を抜け、少し北へ進むとそこはもう別世界。静寂のプライベートビーチが道路脇に広がります。
プーケットから約300km北にあるラノーン(Ranong)という町。ここはなんとホットスプリングス、つまり温泉を楽しめる場所なんですね〜。
町からは少し離れていますがシッカリした入浴広場があります。入場は寄付という形で、要はタダで入れました。水温は40℃程らしいのですが、ここは東南アジア。ただでさえ暖かいんで少し熱く感じましたね。湯に浸かった瞬間、日本にタイムスリップしましたよ。
湯船に浸かれるなんて東南アジアでは、いや世界的にほっとんど無いんですよ。だから貴重な時間をたっぷり堪能し、バンコクまで残り数日、疲労の溜った身体をいたわってあげます。
そしてここラノーン、地図で見ると分かりますが、海を隔てた国境の町なんです。
そう、対岸はミャンマー。この町の港からもボートで行けるっぽいです。国境の町だけどミャンマー人っぽい人は見かけませんでした。
町から少し北へ走った小さな町にしっかりした国境がありました。警備が物々しい。
しかしあの対岸はもう、言葉も通貨も文化も違う場所なんですよ、ゾックゾックしますよね。
更に北へ進むと面白い場所に出くわしました、分かりますか?分かんないですね。
このような感じで、数キロに渡って道の両脇が肉まんのお店だらけなんです。
ホント、突然現れたんですよ。理由は全然よく分かりませんが、そりゃとりあえず食べますよ。
ジューシーな豚肉とウズラの卵が入ってます、うんまい。この通りを勝手に豚まん街道って名付けますね。
あの深夜特急の作者であり旅人の沢木耕太郎先生が訪れたから、というだけで日本人の間では人気の町の?チュンポン(Chumphon)に到着しましたが、特に見どころはありません。それ未だに読んだこと無いしで何の思入れも無くサクッと通過。
ここから北上するに当たっては国道ではなく海沿いの田舎道を行きます。これが本当に静かでのどかで、最高に面白い。
ワケありのホテルとマーケットの上をゆく電車
バンサファンヤイ(Bangsaphanyai)という町で泊まった安宿もまた刺激的だったんですよ。
「ハロー。トイレと浴室はコチラです。」
ってテンション低めな感じですか?右耳どうされたんです?痛々しくてなんか不気味ですよね。
入ってみますね。
うわッなんかもう僕怖いです。
事件ですか?
可哀想に。誰がやったんです?
それは僕らには分かりそうもないですが・・・
やっぱりハローキティさんのみがすべてを知るシャワーヘッド殺人事件のホテルでした。
クソっそれはどうでもいいけど、自意識過剰な僕はハローさんの視線が気になって落ち着いてシャワーを浴びられない。
更に北上しプラチュワップキーリーカン(Prachuap Khiri Khan)という町です。
ここはのんびりするには最適な場所でしょう。
ガイドブックには載っていたようですが人は少なく落ち着いた沿岸の町といった感じです。超お気に入りの町です。
当時でシングル一泊170バーツ(約500円)の良宿がありました。
どなたかが殴って壁に穴を空けてしまっている部屋でしたが、Wi-Fiもビンビンで言うこと無し。
更に更に北上してホアヒン(Hua Hin)というリゾート地に寄ってみます。
が、ここにあえて行くという人の気持ちが正直なところ全然分からないほど、な町でした。
ビーチで馬に乗れるようです。そうですか、楽しそう。海は特別綺麗でもなければ人もウジャウジャで宿は高いです。当時でおそらくドミトリーの250バーツ(約800円)が最安。
この町の駅はタイ国内でもっとも古い鉄道駅の一つだそう。さすがに立派でこれはなかなかイケてますよね。左にある建物は王室専用の待合室です。そんな豪勢な場所で電車を待つのもなんか落ち着かない気がしますが。
さぁ、もうバンコクはほぼ目と鼻の先。よくやりました。その前に、こんな面白い町がありましたよ。
バンコクまで50キロ程の距離にあるサムットソンクラーム(Samut Songkhram)。
これテレビで見たことありましたね、おそらくここのことでしょう。
線路上のマーケットですね。もはや今はパフォーマンスの一環だとは思いますが、滅多に見られない光景で楽しめます。現地の方もたくさん買い物に訪れますが観光客もいっぱいです。
しかしいちいち手間のかかる場所ですね、もちろん電車が通るたびに片付けなきゃいけません。めんどくさがりな僕はここで商売は出来ないでしょう。
そりゃゆっく〜〜り通過ですよ、これ50キロくらいで来られたら人も野菜も魚もビッチャーで完璧なる地獄絵図の完成ですからね。すいません。
自転車でマレー半島縦断についてと、旅と旅行の違いと決断と
そんなこんなで、シンガポールとの国境の町ジョホールバルから寄り道と少し遠回りをして約2,500km、パンクは4回(うち一回はバースト)、スポーク折れ1回でマレー半島縦断に成功です。
初日は80kmの距離でヘロヘロになり、<明日は100km走行の日か、いけるかな。。>なんて心配してたりして。やはり感覚と足が徐々に慣れて来るようで、1日の最高走行距離は約140km。
チャリ旅はおそらく一日100kmの走行が目安になるでしょう。プーケットへ寄らずに一直線に縦断するのなら約2,000kmなんで、1ヶ月もあれば縦断可能だと思います。難易度はベリーイージーですし、世界をちょっとチャリで旅してみたい!って方にはうってつけの舞台ですよ。
ギア無しのメーカー不詳のクソ重たいチャリの最底辺クラスの装備で余裕なんですから誰でもやれるはずです。
さて、タイに入ってからというもの、僕はずっと考えていたんですよ。
北のチェンマイへ向かいそこからラオスへ向かうか、東のカンボジアか、西のミャンマーか。
バンコクを一応のゴールにしていましたが、マレーシアを縦断できた時点で既に、
チャリ旅はまだ続くのだろう、てかもう、やめらんねぇっしょ。
と感じていました。ここで終わりは有り得ない、んじゃ次はどこへ向かおうかと。
東南アジアの分岐点となるバンコク。北か東か西か。
宿に引きこもって考えるのですが、そもそもこの「考える」ことって、もうそれそのものが「旅」なんだろうな、と感じたんですよ。
ルートを考えたりルートが変わったりするのが旅。
そうじゃないのが旅行。
旅と旅行の違いってきっとこういうことなんでしょう。僕なりの区別です。
考えに考えた結果、北のラオスへ向かいそのまま時計回りにベトナム、カンボジアと回ってまたここバンコクへ戻って来るという、自転車東南アジア一周プランに決定。
計画が定まれば行動はあっという間。次の旅は容易にはいかないのだろう。てことで準備です。まずはパンク修理セットといくつかの工具の購入ですね。
いや今さらかよ。やっとかよ。
準備っつてもそれくらいですかね。あとはなるようになります。いや多分めんどくさいだけ。
てかまた余裕で達成できちゃうっしょ。
なんて持ち前の楽観視、あるいは舐めきった考えが次の旅でヒックリ返ることになろうとは、このとき思いもしなかったのです。
<準備は万端だぜ。>
そう意気揚々と宿へ戻る途中に立ち寄った公園でゆっくりしている時です。事件は起こりました。
おや?なんかキミ可愛らしいな。サワディーカー、ほらおいで。
ははは。・・・
かぷりチョーザッ!!!!!!!!!
・・・ッ!!!!
ばァァァぁぁぁああああああッッッ!!!!
うわッうわッ
死ぬッ死ぬッ
これアカンどなたか助けて下さァァァアアアい!!!
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