あなたは食えるか?牛のペニスを食べた日。〜自転車マレー半島縦断-上-〜
ちきしょう寝不足だ。でもアイザン、僕行くから。
止めるなよ?
ホントに行くから。
・・・バイバイ?
止められたい。
【ユーラシア<チャリ旅>編】前回
もくじ
チャリ旅の魔力
いつの間にか冒険旅行ではなく傷心旅行に変わっていた僕ですが、難なくマレーシアを縦断出来たのです。いや、出来ちゃった♪って言ったほうがシックリ来ますかね。
鉄の塊のチャリなんで頑丈だけどかなり重く、更にはサイドバックが無く荷物はほぼ全て後ろの手作りの荷台に載せるだけ。だから気を抜くとウィリーしちゃうし、挙句にはギアも無いんですけど、そしてパンク修理セットすら持ってなかったもんでどうなるかと思ってたんですが、なんか余裕で行けちゃいました。
買い物帰りのばあさんかよ。
重さを分散させるため、ペットボトルの水はビニール袋に入れてハンドルに吊るします。
でも道幅は広く路面は綺麗だし、峠という峠も無いし西マレーシアを走る分には日本のママチャリでも楽勝なはず。難なくとは言いつつも、もちろんある程度のトラブルには遭いましたよ。
アイザンと別れたユーラシア最南端からの出発2日目でパンクです。早過ぎやろってね。
つい前日に心がパンクしたばっかだよってね。
でも不幸中の幸いでそれが町中だったんで、即行でチャリ屋に駆け込めたんです。
今思えば、パンクごときでチャリ屋に泣きつくレベルでよくチャリ旅なんて始めたよなって感じですね。なんか修理の仕方を覚えるのが面倒くさかったんです。いや、やり方も何も、穴を塞ぐだけだけど。
その後にもう一発パンクしたけどやっぱり町中でという強運で即行で回復。
マレーシアでのお店でのパンク修理は日本とは違い穴を塞ぐのではなく、チューブ自体を新しいのに交換しちゃいます、それでも日本円で300円くらい。穴を塞ぐだけだと金にならないからでしょうかね。
こんなよく分かんない事故も起きました。
前輪なんですけど、タイヤが裂けちゃってた。この後すぐにその裂けた隙間から中のチューブがプク〜ッっとハミ出てきて、パーンと心地良い音を響かせて逝きました。これをバーストって言うんですかね。
おそらく空気の入れ過ぎが原因だと思うんですよ。
一応は携帯型の空気入れは常備していけど、この時なぜかガソリンスタンドにある空気入れが目に入りまして、何を思ったか、うっしゃ、あれで一発ガツンと入れたろ思ったんです。それで空気圧の限界突破だったらしく、15分後にこのザマですよ。
バカなんですかね?バカなんでしょう。
でもやっぱり難なくチャリ屋を発見。
ここでオッチャンの作業を観察しながらやっとタイヤのはずし方を覚えた(気がする)のです。はずし方もクソもなくてただネジを回すだけなんですけどね。
いやはや、色々と大変なこともありますけどね、でもやっぱり素晴らしい。
自分で移動すること。自転車で移動すること。
そこには当然、バス旅とは違う景色が広がっているわけです。
好きな時に休憩して立ち止まって、あぁ、俺、旅してんだなぁ。
道路脇でよく分かんないジュース飲みましょうよ。1リンギット(当時32円)。
そこに広がるのは果てしない自由度。
あの向こうは、あの奥は、どうなっているんだろう。
飽く無き好奇心をたっぷりと満たしてくれる。
これは道路脇にあるパーム林に入ってみたとこです。刺激的な景色ですね、もちろんガイドブックには載ることのない空間。
こちらは道路脇で凧揚げのタコを売っています。ここで?って感じですね、面白い。
ウッカリ買いそうになっちゃいますよ、ハンドルに括り付けて走ろうか3分くらい考えましたよ。
経由する小さな町はもちろん情報が無いので宿は手探りで見付けていきます。
よく分からない町で、ここが安そうだと思って入ったんですよ。
しかしどうも様子がおかしいと言うか、内部は香水の匂いが漂っていて、しかもスタッフらしきお姉さんは超ケバくて肌の露出も凄くて、でもとりあえず一泊おいくら?と尋ねると、
100リンギット(当時約3,200円)だと。
は?日本の地方のビジホ並みじゃねぇかこの汚さで。
と思いきやそうではなく、なにやらそのお姉ちゃん、左手を軽くグーで握り、右手の人差し指でその握り拳の隙間を出し入れするジェスチャーを繰り出したのです。
そうです、これが売春宿という場所だったのです。
おほッちょうど良いやんけ。体は疲れてるけど心は元気だよっと、って違う違う。え?なに?少しディスカウントするからって?
オメェ知らねぇのか?俺が面食いだということを。
イヤイヤおい、イヤラしく僕の肩をさすって掴むのはやめなさい。離しなさいこら。
こちらはよく分からない町のとある安宿です。便器?そんな便利なもんありませんよ。
なんとかケツが汚いフチに接触しないように投下する術は今やもちろん習得済みですからね。
それもそうだし、右上をご覧ください。
これシャワーですからね。もうなんか、この宿のスタッフ達の「思ってみればさぁ、シャワーヘッドって別にいらなくね?」みたいな会話が目に浮かびますね。
もう凛として威風堂々として、「浴びれば?」チャバチャバチャバみたいな。なんかクールですよね。
もしも枕カバー無しで寝てたら翌日には顔が溶けてそう。
マレーシアの宿ではこのように、果物の王様と呼ばれるドリアンを室内で食べることを禁ずる張り紙が多く見られました。
(画像は借り物です)
日本では滅多にお目にかかれないこのドリアンという南国のフルーツ。“世界一臭い果物”という不名誉な呼ばれ方もされるくらい、臭いです。室内で食うなという程ですからね。でも実は旬の採れたて新鮮なものはニオイはほとんど無いのだそうですよ。
マラッカで考えた事とクアラルンプールのジャパンパワー
もちろん観光もします。でも移動すること自体のほうが楽しかったです、マレーシアは。
一言で言うと、西マレーシアはパンチが無いと言いますか、良い意味では安定している、無難なんですよね。観光地のインパクトが弱いと感じました。写真は世界遺産にも登録されているマラッカ(Melaka)という町です。
アーティスティックなカラフルなペイントが目に付きますね。特筆するのはこれくらい。
マラッカで興味深かった唯一の場所がこの、なんの変哲も無い食堂です。
宿で知り合った中国人に連れて来られたんですけど、なんとここ、無料で昼食が頂ける場所なんです。
世界にはこういった場所がちょいちょいあったりします。タイはバンコクにある無料の朝食が有名です。そちらはインド人のヒンドゥーの中でもシーク教という方々が提供してくれています。
こういうのは大抵が宗教絡みで、って書くとなんか印象悪いですね、貧乏も裕福も関係無しにすべての空腹の人へと、完全なる善意で提供して下さるのです。
このマラッカは仏教徒の方々が提供されています。しかし仏教は世界三大宗教の一つとなっていますが、こちらの食堂の張り紙には大きく、
【Buddhism is an Education : It's NOT a Religion】
(仏教は宗教ではなく、教育である)と書かれていました。なんかグッときませんか?
てことは彼らは無宗教ということなのだろうか。主人は快く迎えてくれて、おかわりもさせてくれるし、また明日も来なさいなんて言ってくれます。
・・・世界を何年もフラフラと旅をする超先進国生まれの恵まれ過ぎた日本人である僕が、途上国で無料の昼食をいただく。
これについては正直、どうなんやろ?って考えちゃうのですが、こういうことを考えさせられたり、仏教ってやっぱ平和的で良いよね、なんていう超単純ですが、張り紙にグッときたりもして、それだけでも、“何か”を感じただけでも、それだけでも彼らに恩返しとなるのではないか、と思う次第であります。しっかりと手を合わせ、本当にご馳走様でした。
そもそも「途上国」という言い方は見下した言い方になるのだろうか。
どこからか情報を得たのか一人の白人さんの若い男性が来まして、彼、提供されたものをガンガン残していて怒られていました。限りなくバカ者ですよね、僕が主人だったらぶっ飛ばす勢い。「食べに来た」という意識で、「食べさせてもらいに来た」という意識じゃないのが丸分かり。
マラッカで一人の静かな新年を迎え、そこから2日間の走行で首都クアラルンプールです。
やはりシンボルであるペトロナスツインタワーは美しく貫禄がありますね。内部はショッピングモールやフィットネスクラブなどが入っています。
このビルのヒミツ知ってます?
実はこれ片方が韓国サムスンによって造られていて、しかも手抜き工事で欠陥が発覚しタワーが傾くという自体に。そこで彼らが助けを求めたのがもう片方のタワーを請け負っていた我々ジャパンの企業で、その傾きを中央を渡り廊下にして支えることとなったのです。
左側のタワーが日本製で、右が韓国製。この画像でも分かりますが、やはり安心のメイドインジャパンともあり、タワー内の明かりの数、テナントの数が違うんですよね。
日本はクソだとか終わってるとかいう声もたくさん聞かれる今ですが、なんだかんだ日本ってやっぱりマジで凄いよなということが、まぁそれは別問題ではあるのでしょうが、世界に出ると更によ〜〜く分かります。本当に誇らしく思いますね。
目覚ましい経済成長を爆進させるマレーシア。
経済が行き詰まる日本をいつの日か追い越す時が来るのでしょうか。頑張ろう、ニッポン。
シンガポールに続きここにも進出してました。メール便でしょうか。
クアラルンプール郊外にはバトゥ・ケーブなんて場所があります。なかなかの迫力。
洞窟内には荘厳とお寺が建てられています。
市内から手軽に行けておすすめです。こちらはヒンドゥー教による洞窟寺院ですが、マレーシアからタイにかけては仏教による洞窟寺院も見られるんです。
この荷物運びのおじさん、有酸素運動にもほどがあるんじゃないかってくらいゼーゼーいってたんですが、この仕事って時給いくらなんでしょうね。。
牛のペニスを食べた日
さて、広大なクアラルンプールはたくさんの見どころがありましたが、中でも僕的に一番インパクトのあった場所がチョウキット(Chow Kit)マーケットです。
市場は現地の人の生活を垣間見られるところで世界どこでも面白い場所です。
世界中の市場を見てきましたが、やはりその中でもここのお肉のコーナーは突出してましたよ。
少し過激な写真を載せるので、牛の頭部とか、そういうのが苦手な方はご注意ください。
しかしながら、苦手ってなんでしょう?
貴方はお肉を一切食べない人ですか?それなら目を背けてもいいかもしれません。
焼肉好きでしょ?吉野家行っちゃいますよね?今夜はトンカツにする?
僕らがその美味しいお肉を頂く過程には、必ず彼らの死が必要となるわけです。
牛たちは殺される前に、涙を流して泣くといいます。
気持ち悪いですか?残酷でしょうか?でもこれを我々は食べているのです。
そういう背景を知ろうとせず見ようとせずにただただ頂き、アホみたいに残して捨てる方がよっぽど残酷なんですよ。
動物の毛皮で作られたバッグやらもそうですね。それを使うなとは一切言わないし言えません。ただそれを使う前に、それの為に動物が殺され生皮を剥がされているという事実をどうか知ってください、イメージして下さいね。
パフォーマンスとして並べているとかと思いきや、しっかり売り物で現地の方は買うようです。
足専門店でしょうか。美味しいの?
世界でもあまりお目にかかれない珍しいお肉コーナーでした。南米アマゾンはこんなのは普通でしょうけどね。
そしてこのマーケットにあるのがそう、メインイベント、タイトルのそれです。
ガチですよ?こちらも苦手な方はご注意下さい?
ずーーーーーーーん。
長ぇなオイ、羨ましいぞ!でもヒン曲がっちゃったお前!
いやいや、ブツはしっかりと煮込んであるようです。
そりゃ食べやすくカットですよ。カットしなかったらしゃぶる事になりますからね。すいませんこんなブログで。
断面図がなかなか生々しいですね。
いかがですか?
水牛のおチンチン入り、カレー風味のスープでございます。
ネギもっとくれよ!いやいや、想像通りの、プニプニ、グニャリとした食感です。てか想像しちゃうとちょっと気持ち悪くなってしまうのが正直なとこですけどね。スープはインド人がやってるのでやっぱり安定のカレーで深いコクがあり美味しいです。
現地名(マレー語?)ではこれだそうです。当時で6リンギット(約200円)。supはスープで、tropidoってのが牛のペニスって意味なのでしょうか。
このお店は広大なマーケットの一角にあり若干見つけるのが困難なので、
「tropido! (ちんちん!)tropido!(ちんちん!)」
って連呼しながら人に聞きながら探してくださいね。いや変質者かよ。日本だったら通報されそう。
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