Bunkoh Style -WorldWide-

世界中の果て(先端)を命懸けで制圧しに行く大冒険コメディロマン

【なんも言えねぇ。-下巻-】侮辱、の裏にある本心。〜エチオピア劇場〜

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前回

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灼熱のスーダンから来ると、この標高の高さによる涼しくて清々しい気候と空の青さが気持ち良くてとても過ごしやすいゴンダールの町。

と、言いたいところなんですが、僕にはそうはいきませんでした。


「チンチョンチンチョン」「ヒーハーホンホンッ」「チャイナーチュンチュン」

赤道直下の場所ながら身体的な快適度は文句の付けようがありませんが、とにかく人です。金を巻き上げようとする者とは別に、この町の人間はとにかくアジア人(中国人)を見下しからかってきます。

それはもはや公害レベル。

スーダンの穏やかさから来ると一層耳に付いてしまい、これはまた穏やかなモーリタニアからセネガルに入ったときと同じパターンですが、セネガルの比にならないくらいこの国はすごい。


アジア人差別とされる言葉が、大体は子供や青年ですが、いい年したオッサンからも、どこからともなく飛んでくる。

アジア人にというよりも中国人への侮蔑でしょうか。もう3、4歳くらいの子供にまでキャッキャとからかわれちゃいます、石を投げられたことも2回あります。
でも子供に罪はありません、子供が知り得ることはすべて大人から、だからそういうクズな大人がたくさんいるということです。

彼らからしたら、僕らが日本人か中国人か韓国人かなんて区別できっこなくて、とりあえずその近辺の顔の人間=中国人。


中国語を真似て出来たと言われる「チンチョン・チンチン・ヒーヒーハーハー」という言葉、色んなバリエーションがあってとりあえずそんな感じの音であればオッケーなよう。


この不愉快な言葉は、ユーラシア大陸ではイランで飛びかうことで有名です。
年配の方はシャレにならないほど親切で優しいのですが、若者から乱れ飛ぶチンチョン口撃で両極端で好きだけど嫌いな国となってしまう旅行者も多いです。

もちろん、その言葉が差別用語だということを知らない人だっているし、そもそもこれが差別用語だと誰が言い出したのかは存じ上げませんが。ただ普通に「よぉ外人!」ってな具合の挨拶として使う人だっているし、その真意は表情や言い方である程度は判別できまして、だからそれが悪意のあるものでないようなら別にいいんですよ。もちろん気持ち良くはないですけどね。ただ明らかに見下しからかってくる奴らには心底死ねばいいのにと思っちゃいます。

反撃を恐れているのか、基本的には複数人で、しかも離れたところからや、スレ違いざまに、そしてトゥクトゥクなどで追い越しざまに口撃。大人数でケラケラ笑われるシチュエーションではむしろ悲しくなります。


いやおれは日本人だから!なんていちいち言う体力も時間も無駄なので、とにかく無視、聞こえないフリ。なんらかの反応でもしちゃうと相手の思うツボ。

テンションが高くて元気な時は笑顔で、ニーハオ〜!ハウアーユー!なんて返すことも出来るんですけどね。言われ慣れてはくるんですけど、やはり胸糞悪いです。しかしそんなことをいちいち気にしちゃうほど残念ながら自分の器が小さいということもあるのでしょう。

エジプトの記事でも少し書きましたが、中国は世界的に嫌われています。日本は世界的に好かれています。天と地の差といっても過言ではありません。


「中国製のものはすぐに壊れるから。」

ある時、「チャイナ〜」と呼びかける男性がいたんで、僕が日本人であることを伝えると例のごとく日本人はグッドだ〜、中国人はドンキー(ロバ)だ、とか言ってくるんですけど、そこで真意が知りたかったので聞いたんです。ここの人たちは中国人が嫌いなの?と。

そこで彼は「オレは好きじゃない。」と。その理由が上記です。小学生かよ。
これ実はイランでも同じ回答を得たことがあります。

「別に嫌ってはない。」という人もいますが中には、「中国人は嫌い。盗むから。」と答えた人もいました。カタコトの英語だったんで真意が読み取れず、初めは中国人が仕事を盗むからだと思って、それはなんとなく納得できそうだったんですが、彼のジェスチャーはどう見てもスリの意味での盗むから、でした。

今や世界中に中国人は溢れていますが、そんな海外に来るくらいの中国人だからある程度はお金があるはずで、スリなど働くでしょうか。日本など先進国にはスリ集団がいるのかも分かりませんが、それをエチオピアで?

よく分かりませんが、とりあえずやはり嫌いな人もいるようです。
直接なにか悪いことをされたワケでもないだろうに。


まだそう遠くない過去に、肌が黒いということだけで白人から差別を受けてきた負の歴史があるはずなんですが、彼らからしたらそれとアジア人をからかうことは別なのでしょうか。学校で何を学ぶのか。要は教育が足りないということなんですかね。



しかし、ふと思ったんです。

チンチョンは腹立つけど、チャイナって呼ばれるのも胸糞悪い。それはなぜだろうかと考えたんです。
それは単純に自分は日本人だから、そりゃ違う国と間違われたら気持ち良くはないですよね。

でも、これはかなり極端な例ですが、例えばもしも「おいアメリカン!」なんて呼ばれたらどうでしょう。


え?アメリカ人に見える?そっか、ええやん。


ってなりませんか?あるいは「おい韓国人!」って呼ばれたら、気持ち良くはないけど、まぁ、いっか、って僕はなります。

それが「チャイナ!」になるだけで気分が悪くなる自分ってのは、実は自分がいちばん中国がイヤで下に見てるってことになるんでしょうね?あの国と一緒にされちゃ困る!ってことですよね。


この件で何を思ったかまとめると、エチオピア人(あるいは世界的に)はアジア人(中国人)を見下しているのかもしれないけど、自分自身も表には出さないだけで、見下しているということ。更にはオメェに言われたくねぇよ的な、相手の国をも軽蔑している自分がいるということ。もうどっちもどっちなんでしょうね。

そしてもろもろ言われることに対して過敏に反応してしまう自分の器の小ささです。


チンチョンなどは差別用語と言われてはいますが、実際に言葉を浴びせられるだけで何かをされるということは無いはずなんで(石を投げる子はいますが)、差別と言うよりも「軽蔑・侮蔑用語」と言った方がシックリくるような気がします。


軽蔑侮蔑が行き過ぎると差別になるのなら、残念ながらこの世から差別という類はきっと無くならないのでしょう。なぜなら自分も気づかぬうちに自然と見下してしまっているから。超先進国に生まれたというズルい優越感を持ち合わせていたりで、人間ってきっとそういう生き物なんじゃないですかね。付き合っていくものなのかもしれません。


しかしやっぱり表面上、直接相手に言葉をぶつけることはしないという教育というか、モラルは持って欲しいと、切に願う次第であります。

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なんかよく分かんない内容になっちゃいました。僕って真面目ちっくな文章が下手過ぎますから、そうですね、もうアホなことしか書かないぞ♪

そしてあたかもエチオピア人は皆こういう感じという印象を与えてしまったかもしれませんが、大抵は外人が集まる観光地の外人ズレした人たちによるもので、もちろん親切で良い人だってたくさんいるわけです。そういう人たちのことを忘れてはいけませんよね。

町にはレストラン併設のお魚を売るお店がひっそりとありまして、そこのお姉さんがとてもフレンドリーで最高でした。ご覧の通りエチオピア人って可愛くて美人がとても多いのです。イスラム教の女性は肌を見せませんが、クリスチャンのこの国に入ると女性の肌の露出が目に付きます。

お姉さん、僕、ちゃんと避妊具2つも持ってるんで、いっすか。なんて、すいません。

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このような切り身の状態で売られていて100gがたったの14ブル(約60円)でかなりお得でして、インジェラから逃れるために2日連続でこのお魚を頂きましたよ。たっぷりの野菜と一緒に出汁を取り濃いめの味付けにして、安いパスタは麺が細いので魚介出汁のラーメンにして楽しみました。


やっぱりYAZAWAのマルチクッカー、神ってる。その記事はコチラです。

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不愉快にさせるのも人、それを癒してくれるのも人。という、ありきたりな言葉かもしれませんが、それくらいこの言葉が当てはまる国なのでしょう、人類発祥の地エチオピア


さぁ、無事にこの国を脱出できるのでしょうか。


いいえ、出来ないでしょう。


次回

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