Bunkoh Style -WorldWide-

世界中の果て(先端)を命懸けで制圧しに行く大冒険コメディロマン

アジアで赤道をまたげるのはインドネシアだけ〜爆笑のスマトラ島縦断-上-〜


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前回

bunkohstyle.hatenablog.com


もくじ

 

瀕死の移動

世界で5番目に大きな島、スマトラ島の移動は超過酷であったと、事前にチェックしたブログで見かける。

大きい島だけにまだまだ開発途上なようで、ガイドブックなどに載っている観光スポット的な場所も数えるほどで、それもほぼ全てが島の半分から上に集まっている。

僕はブキティンギという街へ行きたい。

 

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ご覧の通り陸路の場合、ジャカルタからブキティンギまでは海を渡り約1,300km以上離れていて、(ちなみに日本で1,300kmと言うと、東京から博多越えて〜長崎まで行っちゃうかな?)
しかも山脈地帯をウネウネとオンボロバスで目指すということになります。

 

バスが故障したり何だで丸2日もかかった、なんていうブログも見受けられる。

上等じゃねぇか。移動こそ旅の本質よ、楽しませてくれるんだろうなぁ?オラ、ワクワクしてきたぜぇ。

 

 




でもちょっと、あれか、飛行機っていくらなんやろか?

 


ほぉ〜。

 

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ちきしょう。(ブキティンギの最寄りの空港はパダンという町。)

 

馬鹿野郎!俺はサムライなんだ!行くぜ!

てことでもちろん陸路で挑みますが、ここから一気にブキティンギまでのチケットが買えちゃうらしい?けれど、海を渡った町のバンダルランプンってとこまでとりあえず向かいます。

 

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バスごとフェリーに乗り込み、少しばかりの船旅。ジャワ島を出航する時です、こんな感じで地元民が海に飛び込んで僕ら向かって何かを叫んでいます。







まだ若い少年もいました。彼らはそう、「金くれ!」って言ってるんです。

いやどうやって渡すねんって思ってたら、乗船していた何人かの人が、少しばかりのお札をヒラヒラと彼らに向かって落としていくんですよ。濡れても破れないんですね。コインも投げ入れてる人もいて、それを必死にキャッチする彼ら。

中には面白がってお金と見せかけてゴミを投げ入れてる人もいて、う〜〜んってなりましたが。

 

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やっぱ船旅は楽しいぜってウロウロしていたら、トラックの隙間で何やらコソコソしている女性を発見。

僕に気付いてぺろぺろと近づいてくる。すんごい香水の香りが鼻をつく。

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ヘイ坊や〜
って感じで、マッサージしてあげようか?とか更には、もっと気持ち良いことも可能よ、とのお誘いが。




そうですか、後者のほう、お願い致します。
ちがうちがう、やめろお前、手を離せ。俺は面食いなんだ。

断る僕の腕を掴みニヤニヤしながらカモンカモンとしつこかったんです。

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2時間ほどでスマトラ島へ上陸です。そこから100kmほど北上してバンダルランプンという町です。

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なぜにここへ来たんだっけ、ってくらい特に何もない普通の町。
スマトラは治安が良くないと聞いていたので構えていたのですが、路上でたむろってるヤンキー系の若者たちは親切にも安宿を教えてくれて、その宿のオーナーもとてもジェントルマンで、ブキティンギへの向かい方の相談を熱心に聞いてくれました。



その甲斐あってか、結果的には無事にブキティンギへ辿り着くことができたのです。

でもですね、噂通り、いや想像以上にしんどかったです。辿り着いた頃には放心状態
の寝不足、そして風邪ウイルスと共に到着となりました。あまり無事じゃないっていうね。

バンダルランプンから、35時間ほどでのご到着でございました。



途中で何待ちなのかサッパリ検討の付かないウン時間の停車。



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故障してウン時間待つ。とにかく待つ。

隣に座っていたスマトラ人のオッサンもいつ発車するのか分からない憂鬱と疲れからか、窓の外を見ながら深いため息の連続。

ちなみに窓側には僕が座っていて、つまりほぼ同じ座高のオッサンのため息は僕の顔に幾度と無く吹き荒れるのです。




はぁ〜〜〜ぁ


むはぁぁぁあああ〜〜ぁ


むっ・・・はぁぁぁぁ〜〜ッ





なんかサバの味噌煮みたいな匂いでホームシックにかかりました。


そうじゃねぇよズバリお前くさ過ぎるんだよ頼むからあっち向いてくれよ、なんでクロレッツ常備してないの?お前がもしもドラえもんに出てくるとしたら名前は臭杉くんだろ?出木杉くんとの絡みを楽しみにしてるからな。

なんて言う気力も僕にはありませんでした。
みんなストレスが溜まってるんです、それをため息で少しでも吐き出したいんですよね。


リクライニング機能がぶっ壊れてリクライニングできないリクライニングの座席。腰の角度はほぼ90度です、そんなので眠れません。更には車内でバンバン煙草を吹かすオヤジたち。呼吸し辛いです。

せっかくウトウトしてきたところで、これぞインドネシアのバス移動の真骨頂でしょうか、夜中に爆音で音楽流すんですよ、彼らドライバーたち。

セクシーな女性歌手が踊り歌うミュージックビデオと共に、夜中の2時3時だろうがお構いなしです。


心臓にドンッドンッとダイレクトに響かせるほどのやかましい重低音。

それに猛烈にかっ飛ばします。いつ大事故が起きてもまったく不思議ではないほどに。
まぁこれは途上国ならではかもしれませんが、生きた心地がしませんね。


インドネシアのバスって、お客様〜、ではなくて、俺たちが運転して連れてってやってんだ!という意識なんでしょう。乗客の誰一人として文句は言いません。

その中で一生懸命に眠ろうと頑張っている乗客をよそに、

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セクシービデオに身を乗り出して食い入るようにノリノリで視聴するおじいちゃん。
色んな意味で元気だなぁ。この光景はグロッキー状態であろうがクッソ吹いちゃった。


出発して15時間くらいが経過し、休憩中にドライバーに尋ねました。あとどれくらいで着くの?と。

彼は英語が話せないのですが、腕時計を見せて、その時計の短い針を人差し指でま〜るく弧を描くようなジェスチャーをしたので、見なかったことにしておきました。




12時間ってことですか?死んでまう。。。



挙げ句にはよく分からないところで降ろされ、ブキティンギへはここで乗り換えだ、と言われ、そのバスはいつくるの?との問いに、分かりませ〜んのジェスチャー


4時間待ってたら来ました。どうやら僕が降ろされたのはパダンとブキティンギの分岐点だったよう。

そして運賃払えと。もうバンダルランプンで「ブキティンギ行き」のチケットを払っていた気がするんですけど、、、あれは夢だったのかなぁ。もうそんなことはいいわ早くベッドで寝たい・・・

そのバスは小型で乗車率150%くらいで通路に座らせられたまま、またウン時間・・・。





てな感じで、後半はホントに気持ち的に瀕死の状態でした。

それでも長時間を共に苦しさを分かち合ってきた他の乗客とは一体感みたいなものが生まれ、お菓子やご飯をごちそうしてもらったりと、心温まるシーンもありましたよ。

ガチでキツかったけど、それは今となっては思い出に変わっています。

ツラいキツイ時こそ心に唱えよ、やがてこれがネタになるんだと。だから今はただただ歯を食いしばって踏ん張れ。そしてこれからも恐れずに突っ込んでゆけ、と。




っしゃ、次は飛行機で行くぞ。

笑いが止まらないブキティンギの街

 

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標高900mの山々に囲まれた町、現地語で「高い山」を意味するブキティンギ。

 

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割りと涼しくてこぢんまりしてて雰囲気が好きです。

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これってこれが狙いなんですか?それとも着たまま休憩に入ってるだけなんですかね。

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公然と乾かすのやめろよぉ〜。スコールは突然に訪れるってのは分かるけどさぁ。しかしこれ何えもんなの?臭杉くん呼びます?

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ちゃんと被れよぉ〜。

小さな子供に夢を与えるんじゃなくて現実をまざまざと見せつけるのがインドネシア式なんですか?

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モール内にゲーセンがありました。インドネシア人はゲーセン好きなのか、フェリー内にもちょっとしたものがあったりする。

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日本の雰囲気とほとんど一緒です。というかゲームセンターってのは日本が起源なのかな?

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すげー古いものを超安く買い取ったんでしょうね。

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これはアメリカかどっかのネズミ叩きゲームですかね。

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なんか可哀想すぎて僕にはプレイできません。

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これもぶっ叩く系のゲームなんですけど、

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分かりますか?

彼も叩かれ過ぎて悲壮感が半端無いんですけど、それもそうだけど、
両脇の方々が不在という、絶対に満点を取れない鬼むずい以前の問題の、奇跡のゲームなんです。


何もプレイしなくたって楽しめるゲーセンが、ブキティンギにはありましたね。素晴らしいことです。
さて、町の散策はこれくらいにして、宿でバイクを借りて、ちょっくら行きましょうかね。

はるばる苦労してまでブキティンギ、いや、スマトラ島へ来た一番のワケは。

アジアで赤道をまたげるのはインドネシアだけ

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熱帯雨林の中をかっ飛ばして行きます。脇にはパパイヤやバナナとかが実ってたり。標高が高いので空気が美味しいですよ。

とはいえ、ここスマトラ島で行われる焼き畑農業や排気ガスなどの大気汚染が、近隣のマレーシアやシンガポールにまで流れ込み迷惑をかけていて、近年それが問題になっているそうです。

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やっぱり自分で移動するってのが最高ですよ、自由ってのは何にも代え難い。モクモクの雲に青い空、更には日本のアブラゼミと鳴き声がそっくりなセミの声が心地良いです。


中学1年の夏休みに、梶原くんっていう友達とママチャリで無計画で丸一日どこまでも走ってみようってことで、都心部から西へ西へ走っていた時ですよ。


ワクワクしながら楽しくおしゃべりをしながらですね、ペダルを漕いでいる時ですよ、
彼、メガネをかけていたんですけどね、そのメガネとですね、目ん玉の小さな隙間にですよ、

そこにセミの子供が不時着、迷い込むというミラクルで僕の腹筋が崩壊したことを思い出しましたね。



びぃちびちびちびちーーーッ



予期せぬ場所へ突っ込んで、メガネと目ん玉に挟まれたセミの子供はこうやってモガきますよね。



ちゃあああぱぁぁぁアアアアアアアッッッ!!!



彼のあの時の叫び声と、自転車を降りてサドルが15cmほど低くなるくらいぶっ叩きながら爆笑している自分の姿が、10年の時を越えてここスマトラ島で目に浮かびましたですね。

 

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なんだかカッコいい建物。

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この写真は別の日に別の場所で撮ったやつですけど、どうやらこういったカッコいい建物はミナンカバウ族というこの州の主要民族の伝統家屋だそうです。

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キュンってしてる。


さて、ブキティンギの町からトロトロ走って2時間ほど、遂に来ちゃいましたよ〜!

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ワクワクが止まらねぇだ。ここが何だか分かりますか?ドラえもん博物館じゃないですよ?なので臭杉くんは呼びませんからね?

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うっひゃーーー!!

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アジアで赤道をまたげるのはインドネシアだけ!!

地球の真ん中です、北半球と南半球の境ですよ、興奮が止まらねェだ。

てか赤道だけど白いんだなぁ。って思うも、実は「赤道」って日本語の名称であって、英語ではEquator、だからレッドラインなんて言っても通じないんですよ。

 

スマトラ島へ来た一番の理由がこれを跨ぎたかったから。ちなみにインドネシアではボルネオ島にも跨げる場所があって、そっちの方がここよりも観光スポットとして成り立っていて賑わうようです。


ここは何だか寂れた感があって静かで、地元の子供達の遊び場となっている。これぞまさに赤道直下で遊ぶ地元っ子たちってとこですね。

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奥にはミュージアムがあります、行ってみます。

 

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見掛けは立派なもんです。

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受付けにはビジターブックなるものがあり、ここへ来た証として名を刻むことができます。

二階がミュージアムになっていて、果てしなく寂れています。写真は載せるまでもありません。
控えめに言っても面白くない。さ、出るか。




「あの、すみません。」



え?

 

 

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「入場料をお支払いください。」



・・・入場前に言えよぉ。
鑑賞時間2分15秒の1ラウンドもたずの試合で200円ほど徴収されるとは。

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周りを歩いてみます。

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これもちょっと寂れた感がまた良い味出てますよ、右の青い球体は地球を模したものですよ?

アンチ藤子・F・不二雄によるドラえもんにデカイ槍を刺したモニュメントではありませんからね?すいません。

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実はこれ、赤道に沿った歩道橋となっているんですねぇ〜粋な計らいです。ウッキウッキでスキップしながら渡りましょうよ。その歩道橋から見た景色がね、また凄かったんですよ〜!


もうホントにミラクル、ロマンがたっぷり溢れる赤道直下の歩道橋から道路を見下ろして見た光景!それは、

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事故現場です。

学生とおぼしきバイクの単独事故だったんですけど、野次馬が瞬く間に現れましたよ。
まったく、オラの回りには何かが起こりますね。赤道の上から事故の風景を眺めてるのって世界で僕だけですよね?


ってオイ、ちょっと待て、事故を横目に野次馬をよそに、平和過ぎる空間が、、、

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これぞまさに赤道ド直下の屋台ってとこですか。素晴らし過ぎるポジションで待機してますね、拍手しながら向かいましたよ。

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そりゃ食べますよ。

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赤道上でいただく、なんかよく分かんない食べ物。
ピーナッツ系のソースがかけられた、柔らかめの切り餅みたいなもの。

 

美味しくはなかったです。

赤道直下で食べること、というシチュエーションではなかった場合、不味いと言えます。

 

それにしても大満足の赤道でした、とても楽しめましたよ。
ちなみに僕の中で赤道ってのは、正午には太陽が真上に来て、自分の影が真下になる!ってイメージだったので、12時ピッタリにそこへ立ったんですけど、影は傾いたまま。

この現地のオッチャン達に身振り手振りでナゼなんだ!?って伝えたら、奇跡的に意味を分かってくれて、どうやら次に真上に太陽が来るのはまだ先とのこと。
毎日ではないんですね、それって当然の知識なんですかね?文系なのでそこらへんは弱いのです。


世界で有名な赤道の観光地といえば南米の、スペイン語で赤道を意味する、そのまんまエクアドルという国。そこでは赤道上では卵が立つんだぜっていう実験やら、南半球と北半球では水流が逆であるという実験とかを催しているらしいです。

こちらではそんなやる気は一切ありません。でもそれが逆に良いんですよ。誰も来ない場所に僕は魅力を感じますからね。

さて、心の晴れ具合とは裏腹に、少し空の雲行きが怪しくなってきたところで町へ戻ります。その前にちょっと寄り道をしていきますよ。

次回

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